ミュージカル「カンパニー」
ミュージカル「カンパニー」インタビュー

制作:古沢氏舞台監督:村田氏

古沢プロデューサー「カンパニー」の稽古場にお邪魔した我々を出迎えて頂いたのは、今回の制作担当者であるシアター・ドラマシティ(大阪・茶屋町)の古沢氏(ちょっと佐野史郎さんに雰囲気の似た方です(^^;)。実は、今日は衣装の仮縫いを行っており、稽古の開始が少し遅れるとのこと。
そこで先ずは、この舞台を企画された古沢氏にお話を伺うことにしました。


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今回、何故この「カンパニー」を上演することになったのでしょうか
これは昔からやりたかった企画の一つなのですが、最初にCDを聞いて感動し、まず観客として自分が観てみたい作品だと思いました。
そこで台本を取り寄せたのですが1970年の作品でありながら、「結婚しない男」が増えている現代にも通じるテーマ性の有るラブストーリーであると感じ、上演を決意しました。

台本をお読みになって如何でしたか
劇的なストーリーでは無かったので、最初は一寸がっかりしました(苦笑)。
コメディなのですが淡々として、現代風の「静かなミュージカル(笑)」とでも言いましょうか。しかし、そうした点が逆にお洒落であり、大作続きのミュージカル界にあって、コンパクトで斬新な舞台が、観客にどれだけのインパクトを与えられるかは賭けだと思っています。

演出家に小池さんを選ばれたのは何故ですか
信頼する演出家の一人であり、ソンドハイムがお好きであるということもあって、お願いをしました。最初は「難しいから」と簡単には引き受けて下さいませんでしたけれど(笑)

今回のキャスティングの経緯を教えて下さい
まず主役は最初から山口祐一郎さんが頭に有ったので、お話をしたところ偶然にも再演の舞台を御覧になって興味を持たれていたということでラッキーでした。
結婚してない、いい男の生活や考え方への興味など、演者と役とのクロスも魅力だと思います。
他のキャストも皆重要で、唄・芝居、そしてダンスの技量が要求されるのですが、今の日本には、そうした要求に答えられる若手の俳優が育ってきていますね。
その中でも鳳さんが演じられる役は、難役かつ重要で、ロンドンでもブロードウェイでも大スターが演じていて、これは鳳さん以外には無いと考え、口説きに口説きまくって、やっと承諾して頂きました。

昨日、通し稽古をごらんになったそうですが、御感想は
今まで私が観た事がない、不思議なミュージカルが出来上がってました(笑)。
演出もキャストも良いのですが、淡々とした流れの中で、何とも言えない感動があり主人公に同情してしまいました。こうした感覚は台本を読んだときには感じなかったもので、本当は一寸心配だったのですけど(笑)、素晴らしく洗練されたお洒落な舞台になっていて安心しました。

30年前の作品で、描かれている風俗や考えかたにギャップは有りませんか
小池先生のセンスで全く現代の作品になっています。テーマも音楽も古さを感じずにソンドハイムの天才性を改めて認識しました。今のミュージカルというより、むしろ新しいミュージカルとして捉えています。

では、最後にひとこと
音楽もハイテンポなものからスローバラードまで有りますし、錚々たるメンバーを揃えて絶対に楽しめる舞台です。是非、期待して劇場に足をお運び下さい。


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古沢氏のインタビューを終え、ふと見ると舞台監督の村田氏が隣りで食事中。
実は、演出の小池先生とは大学時代にミュージカル研究会で一緒だったという。
その後、お互いにミュージカルを指向して、小池先生は宝塚に、氏は他の劇団に進み、それ以来、一緒に舞台を創るのは20年振りだとか。
今回の舞台の進行状況や、小池先生の演出について、スタッフ側からの話を伺った。


初日まで2週間となりましたが、ここまでの進行状況は如何でしょうか。
稽古場に入るまで、出入りや音響の関係で装置の細かい(数ミリ単位の!!)変更が重なって、確定するまで二ヶ月間、稽古開始のぎりぎりまで掛かって大変だった。
稽古場に入って、やっと落ち着いたと言う所だが、この後、オケが入ってくると、そちらとの作業がメインになるので、それまでに済ませなければならない作業が多くスタッフは馬車馬のように忙しい。

小池先生と仕事をした最初の印象は
宝塚のような劇団では、キャスト(=生徒)がスタッフの仕事を補助するシステムになってるんだけど、こうしたプロデュース公演ではキャストとスタッフの役割は分離しているんで。そうしたシステムの違いを理解して貰って、転換などの稽古の進行に必要なスタッフの人数を確保することが最初の戦いだった(苦笑)。

色々な演出家の方と仕事をされていると思いますが、小池先生の演出は如何ですか
大変だね!!(笑)
日本には当たり前のアイデアしか出てこない演出家も居て、外国人のほうが発想が面白いことが多いんだけど、小池さんは、ユニークなアイデアや発想が有る演出家だと思う。そうした面では外国の演出家に通じるものがあるかな。
ただ、「もう少し早く思いついてくれれば!」みたいに時間の面や、予算の面で、(実現が)難しい注文も多いんだけど(^^;

今回の舞台は、大変ですか
大変でない仕事は無いからね。ただそういった意味では面白いけど。
稽古場は主役の(山口祐一郎さんの)性格がいいから楽しいよ。小池さんが風邪をひいて稽古を休んだりもしたけど、雰囲気はいいね。
あと、大変といえば音楽が難しくて、前に劇団四季が上演を考えて調査をしたんだけど、唄が難しくて断念したと言うんだよね。
ソンドハイムの作品でもこれが一番じゃないかな、INTO THE WOODS を凌ぐというし。
後は、転換と小道具の出し入れと照明だけど、これは劇場に行ってからの作業になるね。ま、そんなとこです。
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