![]() 声楽指導:林アキラ氏 |
インタビューを終えた皆さんは、再び体操や発声に戻られたのですが、その発声 をレッスンしているのは、声楽指導の林アキラさん。林さんといえば御自身も 俳優としてミュージカルに出演されているのは、皆さん御存知の通り。 これはラッキーと、早速交渉してインタビューさせて頂くことにしました。 ●今回は声楽指導ということですが、唄が難しいという評判の作品は如何でしょう ソンドハイムの中でも初期の作品なので、メロディはとっつき易いと思いますが 和音構成が複雑で、普通の和音以外の音が重なったりするので、皆さん苦労なさ っていると思います。 後は、70年代の作品なので、やはり昔のアメリカのロックのサウンドだとか、 バート・バカラックとか、シカゴだとかの影響が見えますね。 ただ、皆さん既に豊富なキャリアをお持ちで、音に対する感覚も素晴らしい方 ばかりですので、楽しく仕事をさせて頂いてます。 ●小池先生とのお仕事は初めてだそうですが 「エリザベート」や「アニーよ銃を取れ」などの舞台を拝見させて頂いて、凄く 細やかな仕事をなさる方だと思っていました。今回のお話を頂いた時も、一緒に 仕事ができるということ、ソンドハイムの作品であることなどで自分でもトライ するつもりでお引き受けしました。実際に現場でも、細かい所まで微に入り細に 入り注意なさる方で、音楽面のみならず俳優としての自分にも勉強になります。 ●歌唱指導をされる際に、今回の舞台で特に注意をなさっている点は この舞台は、各々の場面で役の内面が浮き彫りにされて、登場人物の気持が音に 出てくる部分が大きいと思うので「ドラマの流れの中での唄だけでなく、性格や 内面を音でも表現する」と言うことで芝居や気持と音のシンクロで苦労してます。 あと、和音が音のパズルのように組み合わさっているので、一人一人のパートを パーツとして組み合わせる難しさを実感しています。 14人の登場人物がそれぞれ別のパートを受け持つので一つずれたら成り立たない というような唄も有って、自分も耳に神経を集中して聞きながら、音を組み合わ せていく難しさも大いにあります。 稽古中の花山佳子さんと林アキラ氏 ●御自分で演ってみたい役はありますか。 実は96年にロンドンで上演された舞台を観ていて、ドラマとしてすごく面白くて 滞在中に二度、足を運んだんです。今回の稽古を観てると、どの人物に対しても 頷ける部分が有って、自分の性格的な面でオーバーラップ出来る部分も有るし、 逆に「こういった性格も面白い」ということで、男性の役はどれも面白いと思い ます。欲張りな言い方ですけれど(笑)。逆にどれか一人と言われたら迷います ね。どの登場人物も性格付けがちゃんと出来ているし、それぞれのドラマがリア ルに描けていて、演じている方は、難しいけども演りがいが有るとのではないか と、観ていて思いますし、自分の中でもインスパイアされるものがありますね。 ●林さん御自身の、今後の予定をお聞かせ下さい。 御存知かも知れませんが、岡幸二郎くんと演出家の忠の仁さんで組んでいる自分 達のユニットでタナボタ企画というのが有って、この活動、オリジナル・ミュー ジカルやコンサートが年内に2回有ります。その間を縫って、レ・ミゼラブルの 方が帝劇で4ヶ月有りますので、稽古も含めると、この二つで年内のスケジュー ルはほぼ埋まってくるかな、という感じです。コンサートは3月16日からで、 東京と名古屋・大阪でもやります。 ●最近は人気が高くて、チケットの入手も大変だとか 内々でやってる家内興業みたいな所なので、支持して下さる方が増えてきて、 電話等の応対が回線の問題も含めて思うように行かないんで、出来るだけ皆さん に均等に買いやすくということで、プレイガイドを中心という形に今回はしま した。御迷惑をお掛けしてる部分もあるんですが。 と言う事で、稽古の最中に突然のお願いでしたが、非常に真摯に応対して頂いて、 その人柄には心暖まる思いでした。キャストの間でも人気が高いという話も頷ける 気がします。 |
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