ミュージカル「カンパニー」
ミュージカル「カンパニー」インタビュー


鳳 蘭さん
鳳 蘭さん
椅子に座って、真っ正面から向き合わせて頂くと、それだけで額から汗が滲むのを感じます(^^;;;;。


向かい合って凄く緊張しているんですが(^^;、今回の見所を教えて下さい。
 あの、私の友達でね、今離婚しようかどうか悩んでいる人が居るんですよ。で、
 もっと夫にこうして欲しい、ああして欲しい、こうやって欲しい、そうやって欲
 しい、一杯ストレス溜まってて、もう別れようと思っている。だからね「貴女ね、
 多分ね、この舞台を観に来たらね、どの夫婦もそれぞれに悩んでいるんだって事
 が解って、多分、離婚しないんじゃないの」って言ったんだけれど。
 夫婦って言うのは、ほんとお互いに妥協とか我慢とか、お互いに相手を思いやる
 とか、そう言う事がやっぱり・・・。
 そうですね、私は愛情は3ヶ月だと思っているので、続くのは。そう、凄いエネ
 ルギーが要るから。だから、特に夫婦と言う風に24時間一緒に、判子を押しちゃ
 って一緒に住む様になったら、もう見たくない処まで見てしまうし。で、そう言
 う五組の色んな悩みを抱えている夫婦の話なんで、共感を得る方が沢山いらっし
 ゃると思うの、舞台を観に来て。
 それで、結論を出すのはね、「自分はやっぱり結婚するの止めるわ」って人と
 「やっぱりこのまま、妥協して我慢して夫婦生活続けよう」って言う人と、結論
 を出すのは観ている御客様だから、それで良いと思うんですけれど、私達はそれ
 を提示して、って言うか。そういう、一応喜劇って言うのかな、御客様を笑わせ
 ながら、凄く深い夫婦の機微って言うのを突いてるなぁ、と。
 これが30年前に出来た−−正確には29年前か−−に出来た作品にしたら凄い。
 今だなぁ今、まさしく今の作品だなと思います。

仰っしゃる様に1970年のNYのミュージカルで、それを1999年の日本で演られることになるのですが、時代・場所などに囚われない共通のものがある、と
 全然新しい。今のこういう事を読んでたのかな、と思う位、随分進んでいたんで
 すね、アメリカの方が。そういう部分って。鳳蘭さん

ソンドハイムの作品は、鳳さんは3作目と伺いましたが・・・
 (思わず、前にのめる)あのね、詞も入ると4作目なのよ。彼は作詞もなさるか
 ら、作詞が入ると4作目。もう・・・。

そうですか。音楽的には凄く難しいと伺っていますが
 私、特に今度14人の掛け合いって言うのが有るんです。(力を込めて)本当に掛
 け合い。私はね、結構ね、勘で今まで乗り越えて来たの、この人生。ところが今
 度のこの14人の掛け合いの唄だけはね、もう、1234、2234・・・、全部
 数えているの。数えないと唄えない。感覚で唄えない。とっても難しい。それは
 もう、14人の掛け合いだから仕方が無いんですけれど、それぞれ、もう譜面を、
 本当にもう頭の中で譜面が飛び交ってる。
 でも、それもきっと慣れると数えなくても済むのかなぁと思うけど、取り敢えず
 一度数え出したら最後まで数えてしまうと思うんですよ。とっても難しい。
 あの、このソンドハイムをね、前にも演った時に、松本幸四郎さんと演った作品
 なんですけど(注:『スウィーニィ・トッド』1981年/帝劇)、オペラの人が、
 一応こういう唄ですよという風に、オペラの人が日本語で歌って下さっている。
 その(強調して)オペラの人も歌えなかったんですから。オペラ歌手が歌えなか
 った位、もう譜面ってないの。でもね、ソンドハイムと言う人は天才だと思う。
 これが3作目で、一番初めにソンドハイム演った時にね、「あ、もうこれからは
 どんな難しい唄が来ても恐くない」って思ったの。
 だから、この間も山口さんに言ったの。「貴方、これを歌えるようになったら、
 これからはどの歌も『ああ、簡単、簡単、簡単』って思えるよ」って山口さんに
 言ったんですけどね。本当に乗り越えた、大きな壁を乗り越えたら、次は物凄く
 楽になる。これを乗り越えると。

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再生には、RealPlayer(TM)が必要です     


その山口祐一郎さんの印象は如何でしょう
 いや、もう、本当に。私、この間も言ったんですけど、あの、自分の全盛期の頃、
 本当に、20代30代の頃に逢いたかった。だって1メートル86、すら〜っとして、
 足がびゅ〜っと長くて、ハンサムで勘も良いし、頭も良いし。
 本当にね、あの人、中々結婚しない男っていうのは、モテ過ぎて、どれを選んだ
 ら良いのか、解らないんだと思う。彼が独身でいるのは。
 あせらないでも、何時でも次から次へ出て来ると思う。あの人は。

御本人は「出来ないんだ」と仰っしゃてますが
 いや、違うと思う。モテ過ぎると思う、彼は、うん。で、いい男過ぎるもんね。

他の共演者の方々について、日本でもミュージカルの上演が増え、ロングランの公演も増えて、若い出演者も育って来たのではないかと思うのですが
 あの、殆どこの出演者達は別のミュージカルで知ってるの。で、私良くね、歌手
 の人達、若い歌手が「将来は何をやりたいですか」「ミュージカルがやりたいで
 す」って言うのを聞くとね、「ありがとう、いらっしゃい。いらっしゃい!」
 私、ミュージカルでしか生きてないから−−こんな顔だからメロドラマ・ホーム
 ドラマには出られないし−−だからもう、若い歌手の子がミュージカルやりたい
 って聞くと嬉しくてしょうがないの。母の様な、ミュージカルの母の様な気分で
 ね、「はい、いらっしゃい、いらっしゃい」って感じですね。
           アニメーションgif (170kb)
 もう、皆がミュージカルに目覚めて欲しい、と言うか、ミュージカルが好きにな
 って欲しいと思うんです。でも、一度やったら止められないと思いますよ。その
 歌って踊ってお芝居するって最高ですよ。演劇の。

今回の鳳さんのジョアンナ役には、大変な早口で歌うナンバーが有りますが
 今日も今、稽古したんですけど、集中してないと。今、歌っている時、装置の人
 が入って来て、ちょっと「にっ」とした途端、もう歌詞が飛んじゃったみたいな。
 だから、か〜〜っと集中してないと歌えない歌。でも、私時々ね、歌を覚える時
 は何時もそうなんですけど、わざと雑踏の中で気が散る所へ行って、歌って、そ
 れで歌えたら本物だなって言って。今未だ駄目。ちょっと散ったらもう歌えない。

今回のカンパニーの中では、一番のナンバーだと思うのですが
 そうですかねぇ・・・。あの、未だね、途中で発狂する様な、絶叫する所まで、
 自分の気持ちが未だ持って行けないの。うん。だからそれは、初日まで未だ時間
 が有りますから。あの〜、野球の落合じゃないけれど、私のペースで行きます。

最後に、これをパソコン通信やインターネットで読む方々に一言メッセージを
 あのねぇ、今、娘が買ってくれって言うんで、随分高く、もう、後五年間クリス
 マスプレゼント、お誕生日プレゼントカットよって言って買ったんですよ、その
 難しい機械を。でも全然解らない。私TVのビデオも使えないんですけれど、
 これ使える人、相当頭いいと思う。娘達使えるよ。凄いですね。皆さん尊敬して
 ます。頭いい。

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