山口祐一郎さん |
今日の格好は黒のジャケット、黒の長袖のシャツに、黒のズボンと黒ずくめ。 長身に甘いマスクで、正に二枚目の雰囲気です。 古沢プロデューサーからは、稽古が迫っているので2〜3分でとの指示。 ところが一端喋り出すと・・・というのは、この後をお読み下さい。 インタビューの前に、立ち位置やマイクとの距離など、非常に気を遣って下さる 山口さん。その気さくな対応に、場が和みます。 ●じゃ・・・ どうも、どうも、おはようございま〜す。ヨボセヨ。アンニョンハシムニカ。 ニーハオ。ファンイーニーメン。ウォーチュー。シャンコウ・ユーイーラン。 えー、カンパニー、カンパニー。コメディミュージカルの世界にようこそお出で 下さいました。えー、1999年、2月3月、このミュージカル。これを見な ければ2001年を迎える−−21世紀を迎えることが出来ません。 貴方はこの画面を見た限りにおいては、このミュージカル、コメディー・ミュー ジカル「カンパニー」、男と女の最高傑作。この作品を観ない限り、貴方は 21世紀を迎えることは出来ません。そしてもし、このインターネットを1時以降 −−深夜ですね。に御覧なっていらっしゃる方、貴方は絶対、21世紀を、 これを観ずに迎えることは出来ません。 ちなみに東京は青山劇場、大阪はドラマシティ、北海道は・・・あ、もう売れ ちゃいましたから、いいです(笑)。ええ、東京・青山、ドラマシティ・大阪、 是非お越し下さいませ。えー、男と女・・・あ、それから、あの、えー、今離婚 訴訟中とか、それからあの、慰謝料ふんだくろうとか、それから、どういう男が 合ってるとか、便利な男とか、都合のいい女とか、それから、どうやったら、 金持ちな男を騙くらかしてリッチな幸せな結婚生活を送れるかと、そういった もの、ノウハウが全て詰まった完璧なミュージカルです。是非、劇場でお待ち しております。今日はどうも、ありがとうございました。 (と、一気にまくしたてる。一同呆然)
●(笑)山口さん、それ御自分で考えたんですか え?、いいえ、何にも。 ●もう、アドリブで? ええ。 ●「カンパニー」の世界に、浸りきってますね いや、いつもこれですよ。こんなもんですよ。 ●凄過ぎる(笑)・・・。圧倒されてしまいました 何でも行けますよ。他の事でも何でも言って。いつでも、そのセットで。 1分ちょっとでしょ、今ので。 ●作品のイメージが、こんなに端的に伝わったのは初めてです。 (笑)何? 今まで気取ってた、皆?(笑)。駄目だよ、それじゃ、ね。 役者が気取ってちゃ駄目よね、何にもなりません。ね。ホント貴方。気取るのは プロデューサー(笑)。ね。・・・これも流すの? 止めてよ(笑)。 ●初日まで二週間ですが、稽古場の雰囲気はいかがですか このまんま。 ●他の方に伺うと、山口さんが雰囲気を作ってくださるので、非常に稽古場が明るい、とか いえ、いえ、もうこのまんまでね(笑)。いやもうホントにね。何ってても今、 特にね、結婚とかね、言うのって−−男性はね、男性はどうでもいいんですよ。 女性が一所懸命お仕事してて、30前後とかね。そろそろ、何かこう仕事が面白く なってきたけど、家庭に入んなきゃいけないみたいな人って居るじゃないですか。 どうしようかなとか。それで、いい男見つけるとね、お前辞めろとか言うしね。 それで「仕事やってていいよ」って人は、イマイチ自分で気に入らないとかね。 そんな中でその・・・でもね、びっくりしましたけど、このカンパニーをやった お陰で、色んな結婚について教えて頂いたんですけど、一回も結婚しない男って、 9.何パーセント居るんですよ。10人に1人でしょ。だから1、2、3(と周囲 を勘定して)何人いますか。ここでね、一人二人居る訳ですよ、生涯。と言う事 はバツ1バツ2を入れるとね、もう何人になるか解りませんしね。 これいつまでやってんの? 止めなさいよ、貴方。止めてよ。止めないとずっと 行っちゃうわよ。止めてよ。 ●山口さん御自身はどうなんでしょう 古沢プロデューサーがこの作品を考えた時に、副題にこれ「結婚しない男」って 有りますね。つまりその、最初にぷっと古沢さんの頭の中にイメージとしてね、 「結婚出来ない男で山口ってのが居たな」と。それでまあ、始まった訳ですけど。 ただ、一応「結婚出来ない」と言うとなんか悲しいじゃないですか、ね。それで 見栄張って「結婚しない男」と(笑)。 ●今回は1970年代のNYが舞台という事で、都会的で洗練されたお洒落な雰囲気に、山口さんはぴったりだと思うんですが いや、もうね。今、1970年代という話が出たんですけれど、まあ、状況として、 さっきの結婚の話ですけども、30年前・20年前だとアメリカの3分の1から4分 の1なんです、離婚率が、−−今は半分。つまり、70万組結婚して24万組は別れ ますよねぇ・・・ざまあみろ(笑)。まあ、それでね、それが、丁度今ね、アメ リカの半分位になったんですよ、離婚率が。 そう言う意味で、結婚という形、人生の男と女の本当の在り方、みたいなものに 段々ギャップが出来てきて、それと同時に、皆、そのギャップが有ることに気付 いて、なおかつ、今度はそれを隠したり批判するだけじゃ無くて、受け入れる、 みたいな状況になって来ている訳ですよね。そうなって初めて今、この「カンパ ニー」という作品の中に色々登場して来る連中の、仮面夫婦であったり、経済的 な関係だけであったり、お互いレズでホモで、両方関係無いけども、子供も居て 夫婦生活は営んでいるとかね、そういうのも今は理解できますよね。そう言う意 味でとても、1999年、日本に今、丁度ぴったり合ったミュージカルだと思います けども。 それと同時に、今仰っしゃったその「都会云々」という意味では、例えばNY、 ロンドン、東京、大阪、札幌、福岡にしても、それぞれの地域性と言う意味では、 それは同じ中華料理屋行ってもね−−麺が固い処と柔らかい処は有りますけれど ね−−同じ中華料理は中華料理でね、都会生活というのは、どこでも同じですよ。 基本的には、やっぱりプライベートは守られているけど孤独だし、そう暖かいも のじゃないですよ。でも色々スリルに満ちてますしね。 今、こうやって一緒に演っている連中も皆、そういう生活をしてます。そういう 意味では、古沢プロデューサーが選んだベストメンバーですね。 ![]() ●そのベストメンバーの印象、演出の小池先生の印象は如何ですか もう本当に、ラッキーの一言で。 演出家の小池先生とも殆ど同年代なんですよ。そう言った意味で、色んな感覚、 例えば台本の中で『俺達はそろそろ、中年になりかかってんだ。まあ、あいつら −−若い女の子を指して−−にとっちゃ、俺達はタダのオヤジ』みたいな台詞が 有るんですけども、その言い方のニュアンスとか言うのは、お互い無理無く 『だよなぁ』と(笑)、それだけで良い訳ですよ。 ところが相手が偉い演出家でね、一回り二回り上の人で、全く世代が、ジェネレー ションが離れちゃうと、いちいちそれを埋め合わせなけりゃならないんですよ。 何年に東京オリンピックが有って、何時に新幹線が走って、何時に万博が有って、 というのが全部一緒でね。それで、中学生の時に月に行って、あの一歩見た時に、 あれ本当かどうかね、もしかしたらインチキかも知れない、なんてそんな事言っ てた事が全部一緒だと。 例えば、演出家に限らず共演者もそういう方が一杯いらっしゃる。共演者の中に 演出家の小池先生以外にも、役者の方で言えば、レ・ミゼで一緒だった人も・・ 山形さんとか、今さんとかも居ますし。 それと同時に、鳳さんは、ずいぶん前から・・・あの・・・何せ僕「或る処」に 居ましてね、或る処に居ると、その、他の方と出来ないんですよ。でもね、だか らと言って、人と人の交流ってのは切る事が出来ませんからね。そういう意味じゃ インターネットですよ、つまり。解ります? インターネット。国境が有っても、 社会制度が違っても、人と人との結びつき−−ニフティでしたよね−−そうそう、 ニフティ、ね、そう、それと同じですよね。そういう交流の構築の後、たまたま こういう良い作品を古沢プロデューサーが持って来たと。つまりニフティにも ピッタリ合う。インターネット、人の交流・・・ 【古沢】そろそろ、最後の一言を・・・ 早く止めろって(笑)。さっきまで止まってたのが、続けるからさぁ(笑)。 俺は幾らでも行くから、止めろって。 ●山口さんの(レ・ミゼラブルの)ジャン・バルジャンを観て「『40過ぎても色んな事が出来るんだ』と思って勇気が沸いて来た」と、小池先生がしみじみと仰っしゃったそうですが そう言う意味じゃね、逆に、今一番叩きのめされていると言うのは中間管理職。 それから、或る程度仕事も落ち着いて来てね、で、逃げられないポジション、ね。 20代だったら「やーめた」とかね、やっぱりね。丁度ね、今言った意味で40前後 とかね、30代後半から40前後、50前って言うのは逃げられない。それでいてね、 (力を込めて)大変!仕事!!。大変だって。でもそう言う時にね、インターネ ット、ニフティを使ってね、ふっと心の通う交流ができるとね。(周囲爆笑) 言い過ぎやって、あんた(笑)。そこまで言わんでもええ、ちゅうの(笑)。 ●ロバートの誕生日の場面が何度かありますが、彼の職業は何でしょう いや、だからね。つまり、あのロバートというのは、この作品の中でね、他の人 達も大体解ってる訳でしょ。ある一定のイメージが有る訳ですけど。 あの、学生時代のお友達、が皆それぞれ色んな仕事初めてますよね。でも、そい つらの元々の部分、根っこ、彼等のキャラクターの根っこは変らないですよね。 ただ、色々仕事しているから、それに依って一寸、枝葉とか雰囲気が変りますよ。 つまりその雰囲気が変る、雰囲気という意味では各々出てます。但しその職業、 それを説明するための時間は取ってません。つまり、充分そんな事出さなくても、 つまり、こういう事(インタビュー)をやってても構わず歌稽古をする様な人達 とか(笑)、何て言うの、個性溢れる人達だから、出てきただけで解りますよ。 誠実とかね、思いやりがあるとかね、とっても家庭的なパパとかね。 【古沢】そう言う事で、いいでしょうか・・・(笑) ●はい。はい。どうもありがとうございました。 インタビュー中の山口さんの表情・仕草などの豊かで楽しいこと。当方の力不足で、 文字ではその楽しさが伝わらないのは、申し訳無いような気がします。 インタビュー後、ニフティに興味を持たれた山口さんに、入会用のCD−ROMを お渡しする約束をしましたので(既にパソコンはお持ちだそうです)、もしかしたら、 近い将来フォーラムに来訪されるかも知れません(^^;。 |
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