山口祐一郎さんインタビュー
●公演が始まって一カ月ほど経ちましたが、手応えはいかがでしょうか
手応えと言っても毎日全力疾走しているようなものです。
周囲の出演者も舞台をサポートしてくれているスタッフも全力で走っている一体感の中にいて、まだ、一つ一つの手応えを感じられる程の気持ちにはなっていませんね。
●今までの公演と比べて、初日は何か異なる感慨はありましたでしょうか
それぞれのお仕事特有の個性がありますよね。だから、どれとどれというような比較は難しいんですけど、少なくとも言えるのはとても新しい感覚、今までに無い、色々なものを見つけられる作品・・・ですか。
「過去のこれに比べてこうだ!」ということを即答できないぐらいの未知との遭遇で、とにかくその中を自分が持っているエネルギーで、がむしゃらに前に向かってるという状況です。
●例えばそのなかに、具体的な「これは今までにない発見だ!」みたいなことはありますか
それは・・・今日と昨日は違って、初日と今日とも違う。瞬間、瞬間に、そして僕だけじゃなくて相手がありますから、その相手との反応で変わっていくわけですよね。
ですから、例えばマラソンしてる人が『1250mの地点で右端の路傍にタンポポとこういう花が咲いていたんですけど、普段の春と今年の咲き具合の差というのは、いかがなものでしたでしょうか』とテープを切った後に聞かれて、『ううううむ!!』というぐらい(笑)。
そのぐらい具体的にはなかなか難しいです。
●今回トート及びダンサーズのメイクなどビジュアルな面も凄いですが、これに関してはかなりご研究なさったのでしょうか
メイクもそうですし、カツラも衣裳も全部、それぞれのトップの方ですから、おまかせしてます。
それらを乗せていくと、単発機とF16とのように、パイロットは同じ人間でも、結果としては、同じ飛行機でもモノが違っていく、いうことだと思います。
●舞台上に立たれていて、ビジュアル的に観客にどう見えるかを気にされることはありますか
むしろ、それらを乗せてる、付けてる、塗ってるってことを感じさせないようにしていただいてます。
だから、自分で着ていることを忘れているという状況ですね。
とても着易く、とても扱い易く、そして自分で乗せてるということを忘れてしまうような形にしていただいているということだと思います。
●もうかなりリピーターの方がいらっしゃってますね。
そこで『山口さんの場合は手袋をしてらっしゃる、内野さんはしてらっしゃらないという違いは何か理由があるんでしょうか?』という疑問があったりするんですが、これは山口さんが工夫なさったのでしょうか
はあ・・・そうなんですか、今初めて知りました(笑)。
手袋も、初日はしてませんでしたから、途中で変わってます、日々進化していますから。
『一度観たから、もういい。』そんなことはありません、そういう作品です。
●公演が始まってから、ビジュアル面も変わっているということでしたが、小池先生の方からは、こういう面でこうした方が・・・というようなアドバイスは
毎日あります。はい。そして毎日変化してます。
●これからいらっしゃるお客様にメッセージをお願い致します
21世紀を迎えるにあたって、この作品を観たあなたは、きっと、今までとは違う人生が待っています。
8月いっぱい、帝劇でお待ちしています。ぜひ足をお運びください。
失礼いたしました!
●どうもありがとうございました
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