1983年、パルコ劇場公演『毛皮のマリー』の稽古中に病に倒れ、帰らぬ人となった寺山修司氏。
芸術・文化の多彩なジャンルにいずれも天才的な才能を示し、時代を超えて前衛的な成果を残した氏の急逝から早くも20年。その評価は今尚高く、没後も出版・公演・展覧会など、その多岐に渡る活動への回顧、継承が国内外で続けられています。
演劇分野においては、1967年に演劇実験室◎天井桟敷を設立。世界屈指の前衛劇団として、国際的に活躍。代表的舞台に『毛皮のマリー』『奴婢訓』『レミング』『百年の孤独』などがありますが、寺山氏と所縁の深いパルコ劇場では、3月19日〜23日の「寺山修司◎映像詩展」に続いて3月28日から4月17日まで、『◎魔術音楽劇◎青ひげ公の城』を上演することとなり、その舞台稽古が27日に行われました。
『青ひげ公の城』はペローの童話やパルトークのオペラにもなった、中世フランスに伝わる、妻をめとっては次々に殺したという青ひげ伝説をモチーフに、寺山流の仕掛けとたくらみを満載した舞台。1979年にパルコ劇場(当時、西武劇場)で初演されて以来、様々な劇団により上演されてきました。
今回は寺山監督による映画「草迷宮」(1979年製作・1983年公開)で鮮烈にデビューした三上博史が、はじめて寺山の舞台に初挑戦する他、荻野目慶子、秋山菜津子、河原雅彦らが出演。さらに初演同様、多くの配役をオーディションで決定。第七の妻(少女)役には新人の藤岡杏が出演します。
また、J・A・シーザーの演出・音楽、小竹信節の舞台装置、合田佐和子の宣伝美術など元天井桟敷のメンバーが再集合。文字通りの復活上演となります。
ファッション、メルヘン、犯罪、背徳、エロチシズムの魔術音楽劇『青ひげ公の城』。
様々な仕掛けの施された、寺山ワールドを体験されてはいかがでしょうか。
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