2005年11月6日、急性骨髄性白血病により38歳の若さで亡くなった本田美奈子.さん。
12000人の中からオーディションによりキム役に選ばれた『ミス・サイゴン』から始まったミュージカル俳優としてのそのキャリアは、『王様と私』のタプチム、『レ・ミゼラブル』のエポニーヌ、『十二夜』のネコ、『屋根の上のヴァイオリン弾き』のホーデルなど様々な舞台で輝き、観客を魅了してきました。
そして2005年3月〜5月の『レ・ミゼラブル』帝国劇場公演で、新たにファンテーヌ役としての出演が決まっていた本田さんは、その公演を前にして病に倒れることとなりました。上演中のロビーに設置された、出演者、そしてファンからの多くの励ましの言葉が書かれたメッセージボードはその後病室に移されて、闘病の何よりの励ましになったと聞いております。
その本田さんの訃報から5ヶ月、4月2日より東京・日生劇場で『レ・ミゼラブル』が上演されるのに先立ち、関係者各位、そしてファンからの要望に応える形で、通常「通し舞台稽古」と呼ばれて非公開である稽古を、白血病撲滅のための追悼チャリティー・プレビューとして有料で公開する催しが4月1日に行われました。
この追悼チャリティー・プレビューでは脚本・歌詞を担当したアラン・ブーブリル、作曲のクロード=ミッシェル・シェーンベルグを始め、全てのスタッフが著作権料を放棄、また3月22日に発売された入場券は、発売開始後僅か9分間で完売するなど、スタッフ・キャスト、そして観客の本田美奈子.さんへの想いの大きさを改めて感じられる結果となりました。
公演終了後には、改めて今回の追悼チャリティー・プレビューの趣旨が説明され、これまでの本田さんが出演された舞台の映像が流された後、出演者が再び舞台に揃います。
この日の有料入場者は948人。総売上5,688,000円の全額が東宝株式会社より、本田美奈子.さんがご自身の病と向き合われた時から立ち上げられた白血病撲滅のための活動「LIVE
FOR LIFE」を通じて、財団法人・骨髄移植推進財団に寄付され、出演者を代表して、ジャン・バルジャン役で本田さんとも共演した事のある山口祐一郎さんより、同財団の正岡徹理事長に目録が手渡されました。
また山口さんからは「今日は皆様、どうもありがとうございました。お陰さまで美奈子.さんの思いがこうした形になったことを皆様に心からお礼申し上げます。本日は誠にありがとうございました。」と観客の方々に向けてのご挨拶があり、財団からは「本田美奈子.さんを愛してくださって皆様へ」感謝状が贈られました。そして最後には、本田さんの姿を背景に、『ピープルズ・ソング』を出演者、客席で大合唱して幕を閉じました。
今回の日生劇場での『レ・ミゼラブル』公演は、「この公演を我らが友 本田美奈子.に捧げます。」と銘打たれ、上演期間中はロビーに白血病撲滅のための募金箱が設置されます。集まった募金は東宝株式会社より「LIVE
FOR LIFE」を通じて、財団法人・骨髄移植推進財団に寄付されます。
また、4月6日(木) 昼公演、4月14日(金) 昼公演、4月19日(水) 昼公演、の公演終了後には、その出演映像を見ながら、出演者が本田美奈子.さんの思い出について語り合い、在りし日の姿を偲ぶ追悼イベント「本田美奈子.さん
メモリアルデー」が開かれます。
さらに、4月20日には遺作ニューアルバム「心を込めて...」がリリースされるほか、4月23日(日)には、朝霞市・ゆめぱれす(朝霞市民会館)にて追悼展が開催(10:00〜17:30)されるなど、本田さんの残したものは日が経つにつれてますます人々の心の中で大きくなって行くようです。
なお、この追悼チャリティ・プレビュー終了後、出演者の山口祐一郎さん、笹本玲奈さん、マルシアさん、石井一孝さんの4人が会見を行って本田美奈子.さんへの想いを語りました。
この会見の模様は、動画でご覧いただけるように現在作業を進めておりますので、どうぞお待ちください。
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