まず冒頭に、舞台稽古が出来なくなった経緯を三宅さんが「照明合わせ、転換稽古の最中に舞台上の壁である巨大パネルが役者の上に倒れて、しかも紗幕を破いてしまいました。これの修理と再発防止に2時間くらい掛かりまして、舞台稽古の時間が取れなくなってしまいました。」と状況を説明、これに対し周囲の出演者からは「あ〜あ」「舞台はどうなるの?」「大丈夫ですか?」「倒れた時は面白かったねぇ」などの声と共に大きな笑いが起こり、どんな事態でも笑いに変える喜劇人魂を感じさせます。
報道陣から「正直、誰が壊したんですか?」という質問が飛ぶと、「そう言えばオグちゃん(小倉久寛)がちょっと寄りかかってました。」(ラサール石井)、「トシがセリフを言っている時に倒れました。」(小倉久寛)、「昇太さんが後ろでうろうろしてました。」(渡辺正行)などなど、一斉に言いたてる面々。結局「そう言えば、あのパネルに伊東さんの写真が張ってあった。」そうで、伊東さんの霊が激励の意味で倒したという結論で落ち着くなど、とことん笑いに繋げて行きます。
しかし、話が『静かなるドンチャン騒ぎ』の冠である“楽曲争奪”に移ると、一斉に苦しげな表情になる出演者たち。歌えないと判断されると「3番まで歌詞の有った曲でもカットになった。」そうで、それぞれに「自分だけはOK」をアピールしながらもどことなく不安気なコメントが続きます。「誰がカットになったかは観れば解る」そうですが、そこは観てのお楽しみとか。
そんな中、紅一点である辺見えみりさんは「私は歌っています。」ということで、晴れやかな表情。「演っていても楽しいので、観たらもっと楽しいと思います。」とアピールしながら、「皆さんの中で真面目にお芝居をしなければならないし、他の方よりもやる事が多いので大変です。」と言い切り、他の出演者の「俺たちが何もやってないみたいじゃないか!」との声にも、「だって、本業しかやってないじゃない!」と切り返して、男性陣に負けないパワーを見せます。
こうした賑やかで個性的な面々を纏めて、構成・演出も担当した三宅さんは「稽古場では纏まっていたのですが、役に入るとそれぞれの個性でバラバラになるんですね。その色んな個性が合わさって、本当に面白いと思います。2時間以上の長いコントを観ている感じで、笑って笑って帰っていただけます。」と、出来映えには満足の様子。
「次にお誘いすれば、多分、伊東四郎さんも「熱海五郎一座に出たい」と言っていただける手応えは感じています。」と、自信を覗かせます。
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