シアターフォーラム    
シアターフォーラム 三宅裕司「伊東四郎一座」を継承 熱海五郎一座『静かなるドンチャン騒ぎ』

会見風景
左より:東貴博、春風亭昇太、ラサール石井、辺見えみり、三宅裕司、渡辺正行、小倉久寛、タカアンドトシ

 1997年、東京の喜劇を再び復活させようとテレビバラエティ「いい加減にします」を経て結成された伊東四郎三宅裕司によるコントライブ『いい加減にしてみました』。かの大瀧詠一氏が「伊東さんもやっと良い相手が見つかった。三宅裕司は後継者である。」と評し、喜劇役者が演じる表現としての笑いを堪能させる公演となりました。
 そして2002年、三宅裕司の盟友・小倉久寛が加わって上演された『いい加減にしてみました2』。5年ぶりの満を持した公演は、新宿・紀伊国屋サザンシアター埋めた満員の観客を爆笑の渦に巻き込みました。 <P>


 それから2年後の2004年、伊東・三宅を中心に、ラサール石井小宮孝康小倉久寛東貴博の豪華メンバーで今の時代の観客が本当に面白いと思える“東京コメディ”を提供するべく「伊東四郎一座」が結成され、下北沢・本多劇場で『喜劇 熱海迷宮事件』を上演。軽演劇の劇中にコントを入れると言う贅沢な公演は「テレビの笑いとは一味違う創り上げた舞台の笑いを観たい」観客の心を捕らえ、チケットは発売後数分で完売するという人気となりました。

 その翌年の2005年、一度の公演で旗揚げ解散する筈だった「伊東四郎一座」は、余りの反響に急遽再結成。新メンバーに渡辺正行春風亭昇太を加えてサンシャイン劇場で『喜劇 芸人誕生物語』を上演、テレビの「日常としての笑い」に対して、喜劇役者が演じる「表現としての笑い」を追求するこの舞台で、東京の喜劇は裾野を広げ、新たなメンバーへと伝承されて行く事になりました。


 そして2006年夏、「さらに若い観客にも東京の喜劇を観て楽しんでいただこう」との思いの元、三宅裕司を中心に笑いに関して最強のメンバーが参集して「熱海五郎一座」が結成され、楽曲争奪ミュージカル『静かなるドンチャン騒ぎ』を上演することとなり、出演者揃っての製作発表会見が、4月26日に有楽町・ニッポン放送内にあるイマジンスタジオで行われました。


 製作発表会見の前には、一座の面々がニッポン放送の生番組「ラジオビバリー昼ズ」に出演してトークを繰り広げましたが、この番組のメインパーソナリティを務める高田文夫氏が風邪で休んだために、急遽、出演者の一人である春風亭昇太師が代役を勤めるというハプニングがあり、会見途中にもラジオの生放送が入るという展開となります。

 「熱海五郎」一座とは、「伊東」の手前で「熱海」、「四郎」の次で「五郎」という事で三宅さんが名付けたもので、特に「熱海五郎」という人物は居らず、一座の名前で全員が座員である、との事で、会見場には揃いのハッピを着て登場した出演者たち。

 最初に一人づつ御挨拶が行われますが、黙って他人の挨拶を聞いているメンバーではなく、あちこちから突っ込みと笑いが起こる賑やかな展開となります。

 そうした中、三宅さんは今回の企画について「伊東四郎さんが居るとどうしても伊東さんに頼った企画、ストーリーになってしまい、これでは伊東四郎さんから東京の喜劇を伝承出来ないので、早く継承する人間を育て増やさなくてはいけないと、「今回は伊東さんに頼らずに創ります」ということで旗揚げしました。」と説明。
 メンバーについても「伊東四郎一座のメンバーは気心が知れているので引き継いでもらい、辺見えみりさんは歌が歌えて舞台で芝居が出来て笑いも解っている人という事で選びました。若手のタカアンドトシは、最近少なくなったネタを演る番組で毎週きちっとしたネタを演じて面白いので、演じることに関しては大丈夫だと思っています。」と語った三宅さん。
 「伊東四郎一座より、絶対面白いものを創るというのが最大の目標で、テーマも難しい重いテーマはなく、笑いをテーマにやっていきたい。最高傑作を創りたい。」と気合が入ります。

 今回の紅一点となる辺見えみりさんは「今回はこんな凄い面々とお仕事が出来るという事で凄く楽しみにしています。」と笑顔でコメント。そして「実は私の役柄は決まっているんですよ。有名なミュージカル女優の役です。かなりのキーポイントになる役です。」と、一人だけ今回のストーリーの一端を明かして、「ここまでの喜劇は初めてなので、ほんとに楽しみにしています。」と語ってくれました。


 また、今回は舞台を見守る立場となった伊東四郎さんは「何で私が抜けただけで若手公演なのか?! どこが若手なの?!」とウィットの効いたメッセージを寄せ、「今回のチラシは出来が良いので、右上にマル囲みで顔を入れて欲しかったが実現できなかったです。勿論観にいきますし、「俺も出たかった」と言える舞台にして欲しいと思います。」と期待を込めます。

 さらに、明治大学の落語研究会で三宅さんの2年後輩、渡辺正行さんの2年先輩にあたる噺家の立川志の助さんも、「毎日のスリリングなアドリブ合戦が見もので、今回も楽しみしています。次に「小田原六郎一座」が出来る時があったら加えてください。」とメッセージを寄せるなど、東京の笑いに対する期待は大きいようです。


 その後の質疑応答では、タイトルにある「楽曲争奪ミュージカル」に質問が及び、「一応ミュージカルナンバーは全部オリジナルで15曲用意していまして、それぞれがソロで歌える場所を作ろうと思っていますが、稽古中にあるレベルまで達しない場合はリハーサル中にどんどんカットして行きます。ですからミュージカルで無くなる可能性もあるのですが、そこは皆に頑張っていただきたいし、そのカットした場面も音楽をBGMにしてのセリフにするとか、ギャグにして行きます。」との三宅さんの説明にメンバーからの質問が殺到。

 それでも三宅さんは「えみりちゃん以外の歌は解らないですね。皆で唄う歌からも外す事もありますし、その場合はバックダンサーをして貰います。カットしたことがマル解りになる仕掛けで、楽曲争奪の過程は稽古場の楽しみでお客様には解りませんが、争奪した結果が舞台です。」と一蹴します。


 会場にはサンプラザ中野さんが歌う「熱海五郎一座」の座歌が流れ、既に準備は着々と進んでいるようですが、チラシにも書かれているように、本当にこのメンバーでミュージカルになるのか!?
 答えは皆さんご自身で劇場に足を運んで、その目と耳でお確かめください。


熱海五郎一座
 
楽曲争奪ミュージカル『静かなるドンチャン騒ぎ』
  作:妹尾匡夫  構成・演出・出演:三宅裕司
 出演:渡辺正行・ラサール石井・小倉久寛・春風亭昇太・東貴博・タカアンドトシ 辺見えみり

日程  2006年7月6日(木)〜7月16日(日)  <12回公演>
会場  サンシャイン劇場(東京・池袋)
料金  6,500円 (全席指定・税込) <前売・当日とも>
前売開始  2006年5月20日(土)
お問合せ  アタリパフォーマンス 03-5572-7571

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