馬場氏といえば、ホイチョイ・プロダクションズの代表として、ユーミンの曲を効果的に使った「私をスキーに連れてって」(1987)や「メッセンジャー」(1999)などの大ヒット映画を生み出した監督であり、またテレビ、ラジオ、出版など幅広いメディアでの流行仕掛け人として知られるヒットメーカー。
その馬場氏が、今度はストーリーも登場人物も場面も全てユーミンソングの歌詞と音楽で表現し、出演者は一言もセリフを語らず歌だけで物語が進行するという今までにない新しいスタイルのミュージカルを完成。そして自身初のミュージカル演出に挑みます。
出演者は、ナイーブで内向的な女性・真理子に、今年『赤毛のアン』『ザ・ビューティフル・ゲーム』と2本のミュージカルに出演し、目覚しい活躍を見せるアーティスト・華原朋美と、劇団四季を経て、近年では『レ・ミゼラブル』『GODSPELL』『ゴルフ・ザ・ミュージカル』などのミュージカルを始め、ストレートプレイ『12人の優しい日本人』、映画「THE
有頂天ホテル」など幅広く活躍の堀内敬子のWキャスト。
そして、恋愛に積極的で外交的な裕子は、『ロッキー・ホラー・ショウ』『阿国』『LITTLE VOICE』『OUR HOUSE』など数々のミュージカルに出演し、またTV出演やヴォーカリストとしての活動も目覚しい池田有希子が演じます。
会見では、今回の企画に至ったいきさつを「26年前にユーミンの「♪サーフ天国、スキー天国」を聴いて、その詞の内容や描かれている背景を考えているうちに「私をスキーに連れてって」の映画が出来ました。初めて聴いてから7年かかりました。それから26年掛けて、今度は歌詞だけを使って話を繋げて行くと言う、――ユーミンファンなら誰でも「この歌詞を繋げたら絶対一つのストーリーになるよな。」ということは考えると思うのですが、――ミュージカルを完成させました。今日素晴らしいキャストと音楽監督を迎えて、ここに座って居られる事は、これ以上ない喜びですし、ユーミンファンには申し訳ない思いですけれども、絶対に期待に背かない作品になると思いますのでよろしくお願い致します。」と熱く語る馬場氏。
また今回の音楽監督を務める武部聡志氏は、1983年より松任谷由実コンサートツアーの音楽監督を担当している、まさに今回の企画にうってつけの人物。
「楽曲にスポットを当て、その歌詞だけでストーリーを構築していくという、素晴らしいアイデアの画期的な作品で、良く出来るなあと驚きました。」と感心しつつも、実際の製作過程では色々と苦労も多かった様子。それでも「「こんな思いの歌を・・・」と曲を探して行くと、300数十曲在る中に見事に心情にハマる曲が見つかります。ただ、歌詞を基本に選んで行くので、それを音楽的にどう繋げて行くのかが、難しいところでもあり、楽しいところでもあります。」と、新しいエンターテイメント作品の誕生に向けて力が入ります。
こうしたこれまでの経過を、この席上で初めて聞いた出演者たちはそれぞれに
華原朋美「『ガールフレンズ』では、女同士の恋の話や友情、強い気持ち、そう言うものを仲良く表現していけたらと思っております。これまでの私の歌の世界観とは違って、全ての曲に現実味があるというか、現実にある世界を歌っていると感じました。私の歌では未来とか夢を唄いつづけていたので、物凄く興味をもちましたし、現実味のある曲なので、楽しく出来ると思います。今回このような素晴らしい舞台に出演できることには凄く責任を感じます。一生懸命頑張って、ユーミンファンの皆さんに喜んでいただけるように、笑顔で楽しく演じたいと思います。」
堀内敬子「馬場さんのお話で26年にわたるプロジェクトだと伺って責任が重くのしかかっている感じがします。私はユーミンファンで、先日のコンサートも見に行ったのですが、凄くパワフルで感激して、命がけでやろうと心に誓いました。今回の舞台ではあまり知らない曲も使われていて、こんなに多くの楽曲があったのかと、改めてユーミンの凄さを感じています。ユーミンファンも沢山来て下さると思うので、本当に裏切れないと責任重大な気持ちで一杯です。」
池田有希子「この場に私が座っているのが正しいかどうか・・・、実はユーミンソングを知らずに育ってきて、話をいただいてから初めて聴いた曲が多いんです。でも新鮮でいて、どこか懐かしいし、歌詞がディティ―ルに入り込んでいるのに普遍的だったり、全ての歌に自分が感情移入出来る事に本当にびっくりしました。このポスターの可愛さにもやる気が起きて、今は演らせていただくことに凄く感謝しています。」
と、改めて今回の舞台の舞台に向けての決意を新たにした様子。
と言っても決して堅苦しい雰囲気では無く、会見中でも華原さんを中心に笑いあったり、囁きあったりと、既に気心の知れた親しい友人同士のように見受けられます。
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