1987年6月11日、演出のジョン・ケアードを始めとする英国オリジナルスタッフと、訳詩の岩谷時子ら日本人スタッフの共同作業により、東京・有楽町の帝国劇場でプレビュー初日の幕を開けたミュージカル『レ・ミゼラブル』。
キャストにも鹿賀丈史、滝田栄、島田歌穂、岩崎宏美、斎藤晴彦、斉藤由貴、鳳蘭、野口五郎ら錚々たるメンバーを揃え、アンサンブルに至るまでダブル・トリプルキャストを組んで、ロングランに備えた公演でした。
以来20年。全国のファンの熱い支持を受けながら公演は積み重ねられて行き、2007年6〜8月の帝国劇場公演で、初演以来20周年を迎えました。
そして、7月14日(土)の昼の部で、ついに通算上演回数が2200回に到達します。
これは東宝ミュージカルとして、2位の『屋根の上のヴァイオリン弾き』(1303回)、3位の『ラ・マンチャの男』と比べても破格の数字です。
これまで出演した総人数は397名。20年の時を経る間には、アンサンブルがプリンシパルとなったり、年代によって役柄を変えて長く作品にかかわるケースも多く、文字通り「スターを創るミュージカル」として、歴史を刻んできました。
今回、コゼットを演じている富田麻帆さんは1987年6月1日生まれ。まさに『レ・ミゼラブル』が日本で産声を上げたその月に産まれ、今その舞台に立っている訳で、この事一つを取っても、いかに長い年月、観客に愛され続けて来たのかが解ります。
現在公演中の帝劇、そして9月〜10月の福岡・博多座の公演では、「日本初演20周年記念特別キャスト」として、鹿賀丈史(ジャベール)、島田歌穂(エポニーヌ)、岩崎宏美(ファンテーヌ)、石川禅(マリウス)、斎藤晴彦(テナルディエ)、岡幸二郎(アンジョルラス)の6人が出演し、現在のキャスト共に熱演を繰り広げています。
また、日本初演20周年の6月11日に行われた記念の特別カーテンコールでは、日本初演でコゼットを演じた斉藤由貴さん、マリウスを演じた野口五郎さんも駆けつけ、鹿賀さん、岩崎さんらと久しぶりの対面を果たしていました。
また、今回の公演にあたっては、潤色・演出のジョン・ケアードが、ブロードウェイのリヴァイバル公演を踏まえながら、帝劇に合わせた台本・演出の再検討を行い、連日深夜に及んだ舞台稽古によって『新レ・ミゼラブル』とも言うべき舞台を創り上げました。
例えば、ガブローシュの新曲(ブロードウェイ版に倣った)が新たに加えられたり、プロローグでジャン・バルジャンが宿屋から締め出しを食らう場面が復活するなど、20年目を迎えてさらに進化を続けています。
ロンドンで、ブロードウェイで今なお上演されている『レ・ミゼラブル』。常に進化し続けて世界中の観客を魅了するその秘密は、今もその舞台の中に隠されています。
是非、ご自身の目で確かめに劇場に足をお運びください。
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