男優のみで構成される劇団
Studio Lifeの代表作『トーマの心臓』(原作:萩尾望都 小学館刊)は、1996年の初演より高い評価を受けて再演を重ね、5度目の上演となる2003年は、東京・大阪・名古屋・福岡の4都市で公演が行われることとなりました。
原作者の萩尾望都氏より「繊細で上品な香りを漂わせる」と賛辞されたこの作品は、ドイツのギムナジウム(高校中学校)と寄宿舎生活を舞台に繰り広げられる物語。今回の上演では初演より主役のオスカーを演じる笠原浩夫をはじめ、曽世海児、及川健、山本芳樹、姜暢雄など最近では外部公演やTVなどに出演する機会も多い劇団員に加え、客演として『エリザベート』『GODSPELL』などのミュージカルを中心に活躍するさんを迎えて、より華やかな舞台となります。
東京公演に先だって行われた記者会見で、脚本・演出を担当する倉田淳さんは「稽古や公演を重ねる度に新しい発見がある作品で、どんどん思いが深くなります。稽古を重ねていくと日常生活とは違う世界にキャストが溶け込んで行くのが解りますね。」と再演を重ねる毎に深みを増す舞台の出来に充分な手応えを感じている様子。
それを受けて、キャストの方々も「独特の世界で世界観に染まるまで時間が掛かりますが、素直に作品を信じて入ります。稽古を重ねて行くうちに自然に段々とはまっていってその感覚に入り、今はその世界に入り込んでいます」と、口々に語り、初日に向けての準備は万端といったところ。
また、客演のさんは、「男子校に転校してきたみたいな感覚で楽しく演ってます。体育会系の部活のさわやかさを感じますね。」と、こちらもすっかり溶け込んでいるコメント。
劇中、姜さんが山本さんの母親、さんが祖母を演じるシーンもあり、どのような演技を見せてくれるのかも楽しみです。
「独特でピュアな愛の話なので、純粋・新鮮な気持ちで、人間愛が感じられる舞台を一緒に感じて欲しい」と語る出演者たち。
再演を重ねて熟成された舞台は、観客の心に何を感じさせてくれるでしょうか。
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