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春の褒章:十朱幸代さんらに紫綬褒章
 4月28日付で春の褒章の受章者が発表され、そのうち「学術・芸術上の発明、改良、創作に関して事績の著しい方」に授与される紫綬褒章は、女優の十朱幸代さん、舞踊家の折田克子さん、俳優の原田芳雄さん、能囃子方太鼓演奏家の安福建雄さん、義太夫節浄瑠璃演奏家の竹本駒之助さん、など42人の方が受賞となりました。

 昨年、舞台『悪女について』『マディソン郡の橋』での演技に対して菊田一夫演劇賞を受賞された十朱幸代さんは、相次いでの名誉に、都内で開かれた記者会見で、「私のような若輩にこのような賞をいただけるということで、思いがけず驚いています。芝居は一人で創るものではなくて、共演者・スタッフ・沢山の人の力、才能、アイデアの結集ですので、御一緒した皆様、ご指導いただいた方々、観に来てくださったみなさんにお礼を申し上げたい気持ちで一杯です。これからも身体に気をつけて、多くの人に喜んでもらえる芝居を演っていきたい。」と多少緊張の面持ちで挨拶の言葉を述べます。

 今回の受賞は「純真な役から悪女まで幅広くこなし、芝居の内容で新しいことに挑戦している」ことが評価されたということに対しては、「芝居が好きで、たまたま舞台で最年少の主演(1975年・芸術座「おせん」)以来、継続して出して頂いていますので、観客の方に自分の新しいものをお見せしたいと言う気持ちが高まって、挑戦しています。新しいことに挑戦することは、手探りの緊張感で、それが素晴らしい成果になって、仕事の内容には恵まれていました。」と、舞台に向かう姿勢を語る十朱さん。

 受賞の喜びを伝えたい方はと聞かれて、一瞬言葉を詰まらせ、「情熱だけでやってきたのを応援してくれた両親。悩むと「大丈夫」と言われてそれが支えだった。どこからか見てくれていると思っている。」とご両親、特に俳優だった父(故・十朱久雄さん)の影響が強かったと思いを馳せます。

 「長く続けて、いつも見ていただくためには新鮮さ・鮮度が必要。」とモットーを披露して、今後の活動についても「これからの自分の年代の人たちにも共通する、共感が得られるような作品・役柄を探していきたい。まだまだ自分は変わっていくと思うし、役の可能性を捜していきたい。来年の3・4月の芸術座で新たに演りたいことはあります。詳しくはまだ言えませんが・・・。」と、既にプランが出来上がっているようです。

 果たして、これからどのような舞台に挑戦し、どのような成果を見せてくれるのか。
 今後もその活動には注目する必要がありそうです。

受賞会見


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