「悪名」と言えば、今東光氏の同名小説を原作に、勝新太郎と田宮二郎のコンビでシリーズ化された大映の任侠アクション映画。'61年の「悪名」から'74年の「悪名 縄張荒らし」まで全16本が製作され、河内出身で義理人情に厚い侠客・八尾の朝吉と、腕も度胸も人一倍のドライでモダンな・モートルの貞のコンビの対照が人気を博し、ヒットシリーズとなりました。2001年には的場浩司・東幹久のコンビで再映画化もされています。
その『悪名』に、17日から新宿コマ劇場で挑んでいるのが、山本譲二・川崎麻世のお二人。山本譲二さんは今年、歌手生活30周年を迎えて、その記念公演となります。
共演は、映画版では浪花千栄子さんが演じた因島の女親分・麻生イトに2002年度文部科学大臣賞(大衆芸能)受賞の朝丘雪路さん、松島の総元締・大島に横内正さん。他にいとうまい子さん、青田典子さんらが華を添えます。
東京での初日の開幕を前に、記者会見に臨んだ山本譲二さんは、「30周年記念公演ということだけではなく、再来年からのシリーズ化を目指して一生懸命演って、お客さんに喜んでいただきたい。出来ればライフワークにして、映画と同じく16作は演りたい。」と、この舞台に掛ける意気込みの強さを語ります。
コンビを組む川崎麻世さんは「大阪出身なので河内弁はOKです。家では喋れない関西弁を舞台で堂々と使えるのが気持ちいい」と、最近では出演の多いミュージカルとは違った役どころを楽しんで演じている様子。
そんな二人を見ながら、勝新太郎さんの『悪名』では芝居も映画も共演されているという朝丘雪路さんは「勝さんと違う若々しさと軽妙さで、気分の良いコンビ。」と新たな朝吉・モートルの貞の誕生にエールを送ります。
「自信を持って納得して貰えると思う。是非見て欲しい。」と力強くアピールする山本譲二さん。昭和12年、日中戦争勃発時の河内を背景に、男たちのドラマが蘇ります。
なお第二部は「歌・舞・唱」と題し、山本譲二・朝丘雪路お二人の歌と舞が華麗に繰り広げられるショーとなります。
公演は5月17日(土)から29日(木)まで、新宿コマ劇場にて。
電話予約・お問い合わせは【新宿コマ劇場 03-3200-2213】まで。
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