『FAME』と言えば、1980年に公開されアイリーン・キャラの歌うテーマ曲と共に大ヒットした映画版をご存知の方も多いでしょう。また、その後アメリカでＴＶドラマとして製作され、日本でも放映されたのを御覧になった方もいらっしゃると思います。

　その後、ロンドンでミュージカル化された『FAME』は、現在でも16ヶ国で上演されていますが、日本での初演は1997年に劇団スイセイ・ミュージカルの手により行われ、その後、同劇団により1998年、1999年と再演が重ねられてきました。

　物語の舞台はニューヨークの芸術高校。最高のアーティストを育てるこの高校へ入学し、自らの手で名声(FAME)を掴む夢を胸に抱いた様々な人種の若者達が、厳しいレッスンの日々を送っています。
　夢を抱いて鎬を削る日々の中で、生徒達は“今”を懸命に生きてゆきます。恋や友情を育み、輝かしい青春を謳歌する者。着実に〜フェーム〜名声〜への階段を歩み始める者。自らの才能のみを信じ、その為に自らの進むべき道を見失う者。そして、“成功”への焦りから自分自身の人生からも脱落してゆく者...

　一つ一つの出来事を乗り越え、人間として成長してゆく生徒達の姿を通し、「生きる」という普遍的なテーマをドラマティックに浮き彫りにして、時代が移っても多くの観客を魅了し続ける作品です。

　今回、4度目となる再演にあたり、宝塚の元トップスター、安奈淳さん、高汐巴さん、そして宮本亜門演出のミュージカル『くるみ割り人形』で主役を務めたコタニキンヤさんなど、魅力的なキャストを迎え、クラシックやヒップホップ、スパニッシュなど劇中の全ての曲が生演奏されるとのこと。

　この物語に、映画に、音楽に思い出のある方、“夢”を追い続けている方、青春の熱さを忘れてしまった方、この舞台を観て、感じて、受け止めてみませんか。