レイ・クーニーと言ってピンとくる方は少ないかもしれませんが、いわゆる「シチュエーション・コメディ」を得意とするイギリスの劇作家。
日本でも『アウト・オブ・オーダー』『パパ・アイ・ラブ・ユー』『 ファニー・マネー』『情事だ、ジョージ、非常時だ!?』などの作品が加藤健一事務所や俳優座劇場プロデュース、テアトル・エコー等で上演され、その計算されたセリフと筋立ては大いに観客の笑いを誘っています。
「シチュエーション・コメディ」といえば、日本では三谷幸喜氏が代表格ですが、いわゆる「喜劇」が、普通の状況に置かれたおかしな人物を描くのに対して、「笑劇」と呼ばれるこうした物語は、おかしな状況に置かれた普通の人物を描く、というもの。窮地に陥った人物がとっさにとった行動や、思わずついた嘘が、さらにいっそうの深みにハマる原因となり・・・どんどん状況がエスカレートしていくことで、笑いも増幅されていきます。
そのレイ・クイニーの作品、2001年にシアター・アップルで上演された『Run
for Your Wife 〜走れ!! スミス〜』が、再演と全国公演を行うこととなり、同劇場で出演者の会見と舞台稽古が行われました。
主役のジョン・スミスを演じる村上弘明さんは「スタンダードなコメディで、老若男女を問わず楽しめる作品です。」と、再演とあってその仕上がりには自信のコメント。日本各地を巡演するということで「各地にロンドンコメディの雰囲気を届けたいし、作品の面白さを何とか伝えて楽しんで貰いたい。場所によって反応が違うと思うのでドキドキしています。」と、新しい観客との出会いを楽しみにしている様子が伺えます。
会見では、村上さんが纏めて仕切り、共演者のルー大柴さんが突っ込みを入れ、横で細川ふみえさん、大島さと子さんが笑い転げるという和気藹々で弾けた雰囲気。出演者の仲の良さが舞台にも反映される、楽しい舞台となりそうです。
(会見の模様を、どうぞ動画でお楽しみください。)
「舞台ですからデフォルメはしてありますが、誰にでも多かれ少なかれ経験のあること。心当たりが有るから共感できるし楽しめます。」と語る村上さん。レイ・クーニーの緻密に計算された状況の移行により抱腹絶倒の会話が生まれます。
セリフの絶妙な間、計算されたタイミング、そして人間心理の極限状態の面白さを充分にお楽しみ下さい。
初日前の会見の模様を、動画で掲載しております。
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