芸術座、2004年3月〜4月公演は、直木賞作家・小池真理子原作の旋律のサスペンスを初舞台化した『プワゾンの匂う女』。
原作は1988年に徳間書店から刊行され、現在は光文社文庫として多くのファンに読み継がれている同名の小説で、作者の小池真理子氏が「初めて手応えのある長編を書き上げた、という満足感があったことを今も鮮烈に覚えています。」と語るミステリーの傑作ですが、
その『プアゾンの匂う女』が、小池真理子氏の作品としては初めて舞台化されることとなり、小池氏と出演者が出席しての製作発表会見が5日に都内で行われました。
「プアゾン」といえば、1985年にディオールから発売され、「毒」というネーミングと紫色のボトル、そして濃厚で妖艶・官能的な香りで世界的なセンセーショナルを巻き起こした香水。そのイメージから魔性の香りとして、様々な作品にも登場しています。
今回の公演の主役、性格の全く異なる双子の姉妹、庸子と蘭子を舞台生活初となる“一人二役で”演じるのは十朱幸代さん。常に新しい試みにチャレンジを続ける十朱さんの発案で今回の舞台化が決定したそうで、「いつか芸術座で小池先生の作品を演じてみたいと思っていました。ミステリーは芝居では少ないし難しいですが、共演者と良い舞台にしたい。」と抱負を語ります。
そんな十朱さんを原作者の小池さんは「最初に伺った時にぴったりだと思いました。以前、TVで拝見して、都会を舞台にした重厚なサスペンスの主役が似合う方だと思っていたので、ありがたいし、ぴったりです。楽しみにしています。」と評してエールを送ります。
共演は、榎木孝明さん、藤真利子さん、麻丘めぐみさん、五十嵐めぐみさん、すまけいさんなど個性的な顔ぶれ。脚本は2001年芸術座の「悪女について」(菊田一夫演劇大賞受賞)の長谷川康夫氏。演出は今回が芸術座初演出となる鈴木ひがし氏。
「(双子の姉妹は)清楚と妖艶。私自身はどっちにも近くないですが、両極端のタイプの女性なので、リアリティが無くならないように気をつけたい。どういうことになるのか自分でも想像できない。」と語る十朱さん。
「プワゾン」の香りは、どのようなサスペンスを運んでくるのでしょうか。
poison