シアターフォーラム    
シアターフォーラム 「自殺の聖歌」誕生にまつわる物語。『暗い日曜日』舞台稽古

 “暗い日曜日”といえば、1933年にハンガリーで誕生したものの、この歌を聴きながら、あるいは聴いた後で自殺する者が続出し、販売・放送が禁止されたという、いわく付きの名曲。
 さらに発表から3年後の1936年には、フランスのシャンソン歌手ダミアがフランス語の歌詞を付けて歌ってヒットしたものの、やはり自殺者が続発。その後も各国で歌われ、同様にその曲を聴いた自殺者が多数出て、一部の国では放送禁止になり、「自殺の聖歌」「自殺ソング」と言われました。

 その“暗い日曜日”の誕生にまつわる物語が、1999年にドイツ・ハンガリー合作で映画化され、2000年のバイエルン映画祭で最優秀監督賞・最優秀撮影賞を受賞、日本でも公開されましたが、2004年6月、この映画「暗い日曜日 〜Gloomy Sunday〜」を原作に、舞台化が行われ、初日を前にその舞台稽古が公開されました。


舞台は第二次世界大戦前夜のハンガリー、ブダペスト。
レストランを経営するラズロと彼の美しい恋人イロナは、名も無きピアノ弾きアンドラーシュを雇い入れる。
やがて、イロナとアンドラーシュはお互いに惹かれ合うようになるが、3人が選んだのは決別ではなく、愛の共有だった。
こうした不思議な関係を保っていた3人だったが、イロナの誕生日にアンドラーシュが贈った自作曲《暗い日曜日》により、それぞれの人生の歯車が狂い始める・・・


 この舞台で、レストランのオーナー、ラズロを演じる近藤正臣さんは「子供の頃、ラジオからいろんな曲が流れ、その多くが「りんごの歌」など日本の歌謡曲だった中、ある日突然全く違う曲がかかった。それがダミアの歌う“暗い日曜日”でした。
 今でこそどんな種類の曲でもあたりまえのように流れていますが、あの時代にあの曲が聞こえてきたときの衝撃は今でも忘れることができません。
 このお芝居は、男女の複雑な三角関係、多くの自殺者がでたという“暗い日曜日”という曲、ナチス・ドイツの侵攻とユダヤ人迫害、といった三つの要素から成り、最後に大きなミステリーがある極上の芝居です。是非ご覧下さい。」とコメントを寄せました。


 出演は他に、後に「暗い日曜日」を作曲するピアノ弾きアンドラーシュに吉野圭吾さん、二人に愛されるイロナに星奈優里さん、後にナチスの将校となる常連客ハンスに増沢望さんと、際立った個性を生かしたキャストが揃いました。
 また、「モーツァルト!」「キャンディード」など、近年ミュージカル俳優として大きく注目を浴びている中川晃教さんの妹、中川和泉さんがデビュー、歌手の役として劇中で「暗い日曜日」を披露するのも聴き所のひとつです。


 悲運の名曲の誕生と、そこに秘められた数々の伝説をモチーフに綴られる『危ういほどに美しい旋律が奏でる或る愛の物語』
 第二次大戦下の東欧、一曲に導かれ翻弄される運命を歩む男女4人の物語が、美しくも激しい舞台として展開されます。

星奈、近藤、吉野
近藤、星奈
星奈、吉野
誕生パーティ
前列左より:増沢望、近藤正臣、星奈優里、吉野圭吾
中川和泉
中川和泉
『暗い日曜日 〜Gloomy Sunday〜』

 
 (映画「暗い日曜日」より)
   演出:松本健(テレビ朝日)  脚本:寺田敏雄

 【日 程】 2004年6月11日(金)〜6月20日(日)
 【劇 場】 ル テアトル銀座
 【料 金】 S席/\8,500 Box席/\17,000


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