元そとばこまち座長の生瀬勝久、サードステージの中心役者・池田成志、劇団☆新感線の看板役者・古田新太、さまざまな公演で中核をなすこの3人。名付けて「ねずみの三銃士」が、「今一番やりたい芝居を、自分たちの企画で上演したい!」と動き出したのが2年前。
その彼らが新作書き下ろしを依頼したのは、「大人計画」『ウーマンリブ』の舞台にとどまらず、TV、映画の脚本、そして初の映画監督にも挑戦中で、今日本一忙しい作家と言われる“クドカン”こと宮藤官九郎。
演出を任せたのは、マルチライヴ集団「ハイレグジーザス」の元総代で、俳優、演出家、脚本家でもある異才、河原雅彦。
そして、共演者として切望した女性3人。2000年の『S〜エス〜』、2001年の『ラヴ・レターズ』以来の舞台出演となる、西田尚美。今回が舞台初挑戦、ドラマ・バラエティ・CMなどで活躍の乙葉。同じく初舞台で、第4回東宝シンデレラ・グランプリ受賞後、映画・テレビ・写真集など多方面で活躍の野波麻帆。
ここに手練手管のつわものたちと、フレッシュな美女の顔合せが実現。2004年夏、東京を初めとして大坂・広島・福岡・神戸で上演されることとなりました。
舞台のタイトルは『鈍獣(どんじゅう)』。
2004年6月17日、都内において上記のスタッフ・キャストが出席しての製作発表会見が行われ、会場には100人を越す報道陣が集まり、10数台のカメラが並びました。
タイトルの『鈍獣』について宮藤さんは「ホラーとか怖いと言う事で、一番最初に思い浮かんだのが江戸川乱歩の「盲獣」とか「陰獣」で、怖いと言うよりは気持ちの悪さでしょうか。それで“獣”が良いと思って、それに付く言葉を捜して“鈍い”が面白いかなと。何をされても最後まで気が付かない、鈍い奴が実は一番怖いんじゃないかと思って、このタイトルにしました。」と理由を語ります。
そして、今回の男性3人の配役は公演まで非公開とのこと。男性の登場人物は、ひたすら温厚で、どこまでも鈍く、不死身の肉体を持つという小説家・凸川。地元の悪で実力者であるホストクラブの店長・江田。江田に牛耳られているクラブの常連客・岡本。の3人。
会見では、生瀬・池田・古田の3人は揃って「常連客が暴れられそうなので演りたい」との事でしたが、演出の河原氏は「イメージ・予想を裏切るキャスティングにしたい」とコメント。果たして誰がどの役を演じるのかも、興味深いところです。
既に、様々なメディアにちらし、ポスター、宣伝写真などが公開されていますが、そのモチーフは3人の男性がボクサー、3人の女性がセコンドという設定のもの。
会見の前にも、その撮影風景のビデオが会場に流されましたが、そこには「注/決してスポコンものではありません。」「「ボクサーは登場しません。」などの文字が??
この点について、担当プロデューサーであるパルコの佐藤氏は「今回は、3人が自分たちのやりたいものをということで、ぶつかるのは初めてですし、手練手管の脚本家・演出家・男のぶつかり合いを見たいということで、お芝居のイメージとして、3人と相談して決めました。」と説明。宮藤氏も「ストーリーとは全然違いますが、何処かでボクシングのシーンも入れようかと思っています。」と本気とも冗談ともつかないコメント。