シアターフォーラム    
シアターフォーラム 『ミス・サイゴン』800回記念、記者会見

 2004年9月13日、『ミス・サイゴン』通算上演回数800回記念の特別カーテンコールの後、その余韻が残る舞台上で、当日の出演者である市村正親さん(エンジニア役)知念里奈さん(キム役)井上芳雄さん(クリス役)の3人による記者会見が行われました。


 まず800回を迎えた感想を聞かれ、12年前の初演にも出演していた市村さんは「初演は5ヶ月間を一人で、後は笹野(高史)君と8:2の割合で全部で612回演りました。今回は今日でまだ18回目なんですよ、2日演ったら2日休むんです。初演は月曜日が休みで週に10回、火火水木木金土土日日と、これが5ヶ月だから結構キビシかった事は覚えています。
 今回は少ない分だけ、台詞が出てくるかどうか毎日ドキドキして演っています。最近は間違えなくなりましたけれど(笑)。これだけ演れたということは、凄く有りがたいと同時に、12年前も今も変わらずテロや戦争は起きているし、そういう中で平和への祈りやメッセージを伝えられたら、という風に思いますね。」と、当時を振り返りながら語ります。

 また、今回から参加のお二人は、「私はまだ20回に満たないくらいなのですが、本当にそれだけ長くお客様に愛されてきた作品なんだなと改めて実感しました。キャストも沢山いるので、この800回という記念の時に出演出来たことはラッキーだと思います。」と知念さん。
 「今回は始まって未だ一ヶ月ちょっとしか経っていないので、12年前に1年半『ミス・サイゴン』を演ってらっしゃったというのは話には聞いていたのですけれど、今日実感として「それだけの初演を演られた方と観に来られた方の重みを感じて、これから立派に続けて行かなければいけないな。」と思いました。」と井上さん。
 それぞれに上演回数800回という歴史の重みを改めて感じた様子です。


 さらに市村さんは、「12年前は劇団四季を退団して、初めての大きな仕事だったのですが、コンスタントに上演されている『レ・ミゼラブル』と違って『ミス・サイゴン』は帝劇でしか出来ないので、まさか『ミス・サイゴン』の再演がまた生きている間に演れるとは正直思っていませんでした。でも今回新しいセットで演れたということで、またこれから何年かたったら有るのかな。その頃は何100回になるのか・・・(井上さんに)でも回数を重ねればいいというものじゃないからね。」
 井上「そうですね」
 市村「それだけ演っていて、まだその程度の芝居か!」って言われそうな気がする。一生懸命演っていても(笑)」
 と、冗談を交えながらも、この舞台への思いの深さを語ります。


 また、これだけ上演を重ねられた人気の秘密については、「音楽の良さ、曲の展開の良さ。それから電動でセットがすーっと動いたり、上から出てきたりというところかな」と市村さん。
 これには井上さんも「これだけお金が掛かっていて細部までこだわっている吃驚セットのスペクタクルミュージカルというのは最近無いですよね。僕はそういう電気で動くセットに憧れていたので、それに乗れてもう感無量ですね。 ただ、それ故に展開がやっぱり速いし、音楽に乗ってどんどん物語が進んでいくので、観ている人も一緒に参加している気持ちになるんではないでしょうか」と、意を同じくするようです。

 さらに市村さんは「装置だけじゃなくて、僕の好きな場面はアンサンブルなんですよ。特に二人のラブシーンの後にホーチミン像や旗が出て来たりして群舞になる。あの辺からお芝居がどんどん中心の方に向かっていくので、袖で見ていても「面白いなあ!」と感じましたね。ドラマの良さと曲の展開の良さ、お金も掛かっているし、俳優一人一人が一生懸命演っている。「次の再演はいつかわからない。だから今、一生懸命演っている。」という活気が袖に居ても感じられて・・・今回は袖を皆走っているしね。こんなに人が袖を走っているミュージカルって、あまり無いような気がする。特にアンサンブルが「次の着替え! 次の着替え!」でね。」と、出演者全員の気持ちが一丸となって集中していることを強調します。
 そして衣裳について井上さんと「2幕の着替えは1回くらい?」井上「そうですね。1幕の途中、物語が行くところから出てないので。」市村「(着ている衣裳を見て)俺は2幕はこれ一着だしね(笑)。」井上「でも、中のシャツが素敵ですよね。」市村「これ? 透けているのがね(笑) 金掛かってるんだよ(笑)」と笑いあうなど、世代を超えて息の合った話が弾みます。


 報道陣から、これまでに印象に残ったことを聞かれた市村さん。
 「この『ミス・サイゴン』は危険度が高いんですよ。初演の時にキムを演じた本田美奈子が、一幕のラストでタムを連れて入ってくる時に移動するセットに足を轢かれて来て、顔を見たら悲痛な顔をして、足を見たら黒い靴が濡れているんですよ。それで「あ、何か有ったな!」と思ってね、そのまま芝居を続けたんだけれど、彼女は動けない。でも、その後とにかく彼女は歌い切った。それで最後に僕が手を出すんだけど立てない、立てないからそこで芝居をして、一幕が終わって彼女の足を見た時! それはやっぱり僕にとって一番の強烈なイメージだね。二幕はたまたまもう一人のキム役の入絵加奈子がアパートに居て、「さあ、来い!」っていうので、普通25分の休憩が40分の休憩で二幕は違うもう一人のキムで演ったという。その日の出来事というのが、僕にとって衝撃度が強いですね。」と、12年前のアクシデントが今でも心に残っていると語ります。


最後に今後の目標について聞かれ、市村さんは2人を見ながら「彼らはこれからどんどん演って行ける訳ですよ。で僕は「今回が最後かな」と思いながら、――と言いながら東宝の人の顔を見てね、「宜しければ・・・」みたいにね(笑)。――僕も次の再演が、規模が大きいから何時になるか解らないけれども、また再演の機会が有ったらば、またクワトロキャストでもどこかに置いて貰えたら、それはそれなりにね、枯れたエンジニアを、どんどん枯れていくエンジニアを見せたいな、っていう気がしますよ。」と、さらに先の時代を見据えて、エンジニア役への意欲を見せます。

 会見の最後には「これだと楽しい話みたいですね」と言いながら、3人揃っての笑顔のVサインで写真撮影に応じ、上演800回を記念した会見は終了となりました。

 800回記念の特別カーテンコールの模様につきましては、現在、動画でご覧頂けるように作業を進めております。どうぞ、お楽しみにお待ち下さい。

市村正親

井上芳雄、知念里奈

市村正親

井上芳雄



知念里奈、tekkan



知念里奈



ミュージカル『ミス・サイゴン』

公演は2004年8月15日(日)〜11月23日(火)
東京・皇居前の帝国劇場にて

チケットは東宝テレザーブ 03-3201-7777
 ほかプレイガイドにて

キャストは日替りで演じられます。
詳細は下記の東宝サイトでご確認下さい。


東宝サイト 


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