今年で芸能生活40周年を迎えて、6月にはデビュー以来の全シングル198曲を収録したCD12枚組セット「あゆみ」を発売。また10月27日には新曲「千年の花」をリリースして、円熟味を増した歌声にもますます磨きの掛かる歌手の大月みやこさん。
その大月さんが平成元年より行っている新宿コマ劇場での公演が11月3日に初日の幕を開けました。
今年で数えて15回目となる同劇場での公演。第1部となる芝居は歌舞伎の名作『十六夜清心』から題材を取った悲恋の物語『十六夜心中』。
駿河の大店の娘として育ったお小夜は、盗賊の一味に家を焼かれて両親も殺されてしまいます。数年後、遊女・十六夜として吉原に売られていたお小夜は修行僧となっていた幼馴染の清吉(清心)と再会して・・・。
今回、相手役の清吉(清心)を演じるのは花柳錦之輔さん。日本舞踊家としての活動はもちろん、テレビ・映画を初め、舞台でも『NINAGAWA
マクベス』や『王女メディア』などの蜷川作品や『愛と修羅』『女たちの忠臣蔵』などに俳優として出演。
さらに振付家としても宝塚歌劇団公演や、蜷川幸雄演出の『身毒丸』『新近松物語』に参加、今年7月に行われた『オイディプス王』ギリシャ公演のスタッフにも名を連ねるなど、幅広い活躍をされています。
共演は他に、綿引勝彦さん、光本幸子さんなどの豪華な顔ぶれ。そして、お小夜の心の象徴である千年桜を始めとする豪華な舞台装置、鮮やかな照明、絢爛たる衣裳などが、より一層、十六夜と清吉との美しくも悲しい物語を浮彫りにします。
第2部のショー「2004 大月みやこ 新たなる飛躍」では、第1部での劇中歌ともなっている新曲「千年の花」やデビュー曲の「母恋三味線」など数々のヒット曲を熱唱。さらに出演者が勢揃いしての口上や、花柳錦之輔さんとの踊りも交えて、たっぷりと歌声が堪能できるステージとなります。
開幕直前に舞台上で会見に臨んだ大月さんは「初日は毎回嬉しい反面凄く緊張します。お芝居も16年になりましたが、歌手でありながら芝居にも期待していただくのは嬉しいような切ないような気持ちで、お楽しみいただいているか不安ですが、自分でやれる事を懸命に励むことだけを心掛けて邁進しています。」と、客席を埋めているファンの方々に心を寄せます。
「40周年ということで、芝居は本来は切なく重い話ですが、私の雰囲気にも合わせて解りやすく作っていただきました。愛しい人との運命と共に、生まれ育った故郷に帰ろう、子供の頃の故郷に帰ろうという思いが凄く芝居の中に入っている作品で、楽しんでいただけると思います。これまでの積み重ねを見ていただきながら、何とか思い出に残る公演にしたいですね。」と意欲を語る大月さん。
「こうして良い気分で歌えて拍手がいただけるのは勿体無いほど幸せ」と笑顔を見せますが、先日の新潟県中越地震には心を痛めている様子で、「私は関西で、阪神大震災の時には親戚も被害に遭いました。少しでもお役に立てば。」と、公演期間中の2004年11月3日より11月20日まで、被災された方々に対するお見舞いの義援金箱を設置。
集まった義援金は、社会福祉法人「読売光と愛の事業団」に全額寄付されるとのことで、「この後が大変だと思うので、今回だけではなく、この後も協力出来ることが有ればと考えています。」と語り、御自身でも早速の善意を募金箱に入れられていました。