フランスの文豪ヴィクトル・ユゴーの小説「ああ無情」を原作として、1985年にロンドン・バービカン劇場で初演が行われて以来、全世界で上演され続けているミュージカル『レ・ミゼラブル』。
日本でも1987年の帝国劇場での上演から、再演に次ぐ再演を重ねて多くのファンを獲得し、来年2005年3月〜5月の公演で、通算上演回数2000回という日本の演劇史・ミュージカル史に残る記録を打ち立てることになる名作です。
そのミュージカル『レ・ミゼラブル』のコンサート版として、2004年7月に東京・大阪で行われた
『レ・ミゼラブル in コンサート』も満員御礼となる大盛況。そして、2004年12月には松戸・千葉・市原など10ヶ所で公演が行われる事になり、その製作発表とミニコンサートが11月9日に千葉・幕張にある「bayfmスタジオ・マリブ」で行われました。
会場となった「bayfmスタジオ・マリブ」は海浜幕張駅前に建つビルの27階にある、眺めの良いこじんまりとしたスタジオ。
そこに報道陣をはじめとして、千葉・川ア公演の主催者であるbayfmの特別特派員として応募総数1824通の中から選ばれた27名の方が集まりました。中には石川県から参加された方もいる、との司会者の言葉に会場からはざわめきが起こります。
この日参加したキャストは、千葉県柏市出身の笹本玲奈さんをはじめ、今井清隆さん、マルシアさん、石井一孝さん、岡田浩暉さんのプリンシパル陣。そして、角川裕明さん、上條コウさん、坂口勝さん、若泉亮さん、浦壁多恵さん、楠見朋子さん、鈴木智香子さん、水谷祐紀さんのアンサンブル陣。
日本版の演出を担当している増田邦彦氏の挨拶に続き、音楽監督の山口ひで也氏が「本当に素晴らしい曲がこのミュージカルには山盛りで、後半のミニコンサートでは出席した皆さんにしっかり歌っていただけると思います。本番ではこの数十倍の感動が届きます。」と出演者に対するプレッシャーとも取れる発言。
続いて挨拶に立った石井一孝さんは「この『レ・ミゼラブル』という作品とは、かれこれ10年の付き合いになりますが、色々と出てきた中でも素晴らしい作品・名作だと思っています。最初はマリウスという役で出ていたのですが、去年からジャン・バルジャンという役で、新しいスタートを切るつもりで演っています。とにかく素晴らしい作品で、素晴らしい曲もありますが、素晴らしい仲間と言うのがこの作品のパワーを生んでいると思います。また、この作品と出会えて嬉しく思っています。
僕は出身が東京都葛飾区で、松戸は橋を渡ればすぐ、ほとんど地元という意識がありますので、千葉と言う場所で出来るのを嬉しく思っています。精一杯演ります。」とコメント。
続いて今井清隆さん「先ほど音楽監督の山口先生からプレッシャーを掛けられて、言い訳する訳じゃない・・・言い訳なんですけれど(一同爆笑)、今日『ミス・サイゴン』の公演を終えて来たので、結構喉が疲れているので・・・言い訳じゃないんですけれど(石井「いや、言い訳!(笑)」)・・・言い訳? 精一杯歌いますけれど、失敗したらごめんなさい(笑)。
この作品は私にとって、――アンサンブルから出てジャベールと言う敵役も演らせていただいて、今はジャン・バルジャンを演らせていただいているのですけれど、――本当に私の中ではミュージカルの教科書のような作品です。観ると人生が変わりますので、ご覧になったことの無い方は是非ご覧になってください。コンサートも色んな方を誘って観に来てください。」
マルシアさん「私は『レ・ミゼラブル』を去年初めて演らせていただき、今年の7月のコンサート、そしてこれから演らせていただくのですが、非常に難しい役で、曲も美しい分難しくて、その中で皆さんに何か背中にゾクゾクと来るような感動があれば凄く嬉しいです。今日は6時に起きて、喉を使っているので(石井「言い訳ね」)・・・いや、言い訳じゃないんですよ、ちょっと今井さんチックですが(笑)。
今日はここで歌わせていただきますが、皆さんには公演会場に来ていただいて、またさらにこの100倍以上の感動を得て欲しいので、今日はお手柔らかにお願いします。」
笹本玲奈さん「私は千葉の柏市生まれで千葉で育ったので、その千葉で『レ・ミゼラブル』が出来ると言うのを凄く嬉しく思っています。親戚や近所の人も凄く喜んでいて、凄く楽しみにしているんですけれど、・・・わたしもちょっと言い訳していいですか?(場内笑)。今『ミス・サイゴン』という作品に出ていて昨日もマチネを演ってきたので・・・本当にお手柔らかにお願いします。本番では1000倍は良いと思いますので・・・今日は宜しくお願いします。」
岡田浩暉さん「皆さん「今日は喉の調子が・・・」って仰っているんですけれど問題は無いんです。何故こんな言葉が出るかというと、それだけこの『レ・ミゼラブル』には素晴らしい、繊細な曲が多いんです。だから、そこに対する崇高な思いは凄いものがあるので、それがそう言う言葉を送り出していくという・・・本当に演っている僕自身も凄く感じます。
僕は91年にデビューしたのですが、それから94年までbayfmで番組を持たせていただいていたので、とっても千葉には馴染みがあります。電車でいつも来ていました。さすがbayfm、今回も『レ・ミゼラブル』を呼んでいただけるということで、岡田浩暉を引っ張ったのと同様、お目が高い(笑)。
僕の友達が本編を観ていなくて今年の夏のコンサートを観たのですが、とても感動して「是非とも本編を観たい」と言っていて、それだけの感動がコンサートでも充分に届けられると思いますので、これを期に是非観に来ていただきたいと思います。」
この後は質疑応答となり、「実際の舞台とコンサートの違いで、戸惑われたこと、面白かったことなどを教えてください」「『レ・ミゼラブル』という作品の魅力を教えてください」「今回のコンサートは、今まで『レ・ミゼラブル』を演っていない、色々な土地に行かれるということで、楽しみにしている事がありましたら教えてください」「『レ・ミゼラブル』の役作りをしているときに、そのキャラクターが実生活に出るようなことはありますか」「石井さんは以前マリウスを演られていて、最後のシーンでマリウスと絡まれる時に、マリウスの演技が気になることはありますか」などの質問が挙がり、出演者は真剣に答えながらも、時には突っ込み有り、椅子から立ち上がっての熱弁有り、つい本音を漏らす発言あり、裏話の暴露ありと、終始笑いの耐えない和やかな会見となりました。
(この質疑応答につきましては、改めてお伝えをいたします)