シアターフォーラム    
シアターフォーラム 森光子主演『おもろい女』上演400回記念に豪華ゲスト 前編 

森 光子



 昭和初期に実在した伝説の天才漫才師ミス・ワカナの生涯を描き、昭和53年(1978年)芸術座で初演されて以来再演を重ねて、2004年10月24日(日)昼の部で上演回数400回を迎えた舞台『おもろい女』。

 『放浪紀』に続く森光子さんの代表作であるこの公演。400回記念当日は終演後に特別カーテンコールが行われ、主な出演者のご挨拶、そして特別ゲストの登場などもあり、客席も大いに盛り上がって、この快挙を祝いました。


 いつものように公演がつつがなく終了し、改めて緞帳が開くと、そこには全出演者が勢揃い。出演者の一人である横澤祐一さんの司会進行で、まず、主要な出演者がひとりづつお祝いのコメントを述べます。

 最初に関西演芸界の立役者、吉本せいさんをモデルにした菱本せつ役の青木玲子さん。
「48年前に産声を上げましたこの芸術座で初舞台を迎えさせていただきました。芸術座ももうすぐ新しく生まれ変わるそうでございます。それはさておきまして、菱本せつを今日の400回で400回続けて演らさせていただきました(会場拍手)。芸術座の最後を飾る舞台は、勿論森さんの『放浪記』でございます。1732回目のスタートで、私も引き続き出させていただきます。どうぞお待ちしております。本当にありがとうございました。」

 続いて、ミス・ワカナが泣かせ漫才「飯塚部隊長」を作るキッカケとなった飯塚大佐役のの深江章喜さん。
「名誉の戦死を致しました飯塚部隊長を演っております深江章喜でございます。400回の記念公演に、こうして皆様の前でご挨拶出来ることを深く感謝しております。本日は本当にありがとうございました。」

 前進座からムーラン・ルージュに移った澤村い紀雄をモデルにした浅原月雄役の青山良彦さん。
「青山です。この作品は今回で3度目でございます。400回を迎えられた皆さん、本当におめでとうございます。この公演が500回、600回とますます回を重ねられますように心より願っております。皆様の御後援を宜しくお願い致します。」

 そしてフィクションの登場人物、弟子である漫才師、江藤和夫役の西川忠志さん。
「皆様、本日はご観劇、誠にありがとうございました。森さん、400回達成誠におめでとうございます。僕はこのお話の中で漫才師、芸人の役を演らせていただきましたので、なぞかけでご挨拶に代えさせていただきたいと思います。僕は森さんと初めてお仕事を御一緒させていただいたのですけれど、森さんは大変野球がお好きという事で、野球にちなんだなぞかけを。『おもろい女』とかけまして、森さんが満塁ホームランを2回打った時と解きます。そのココロは、八点・・・ハッテン・・発展・・・ますます発展!、ありがとうございました。」

 その相方、桜井晴美役の山田まりやさん。
「桜井晴美を演らさせていただきました、山田まりやです。稽古を含めて3ヶ月も和夫さんと居ると本当の夫婦のような気分で(笑)、今のなぞかけが自分の事の様に恥ずかしかったです(一同爆笑)。上手いんだか下手なんだか良く解りませんでしたけれども・・・きっと上手いんでしょうね(笑)。私は初舞台を芸術座で踏ませていただきまして、今回で3回目になりました。今回のミス・ワカナさんの台詞の中に、「晴美・和夫の漫才、始まりまっせ。見てやらなあきまへんやろ。」という台詞が有るのですが、本当に普段から全ての演技を見ていただいたりして、稽古を含め本番を含めての3ヶ月間、森さんはじめ皆さんに物凄くお世話になりました。こんなに皆さんに愛情を注いでいただき、素晴らしいお客様に囲まれながら過ごせた、こういうお仕事が出来るのは本当に24歳の今の私にとって物凄く財産だと思っています。出来るだけ長く、長生きして舞台に立ち続けたいと思います(一同爆笑)。これからも宜しくお願いします。森さん、おめでとうございます。」

 東京帝国大学から漫才作家に転進し、日本芸能史に輝かしい軌跡を残した秋田実役の米倉斉加年さん。
「私はこの芝居の初演の1年後、2回目から演らさせていただいております。その時に初めて森さんとお目にかかって、それからずっと東宝に出る芝居は全部森さんのお世話になっています。先生の役ですが、・・・本当の先生の先生を演るというのは非常にやっぱり難しゅうございます(一同笑)。本日は本当にありがとうございました。」

 芸人を育てる九州の興行主、山路たまを演じた赤木春恵さん。
「26年前の初演に私は同じ役で出ておりました。それから再演を致しまして、その後は山岡久乃さんとバトンタッチをしておりましたが、山岡さんがお亡くなりになりまして、再び私のところにこの役が戻って参りました。何か本当にもう、今は胸がいっぱいでございます。でも本当に一番驚かれているのは天国のワカナさんではないかと私はしみじみと思います。400回もワカナさんの人生を森光子さんが演じて下さって、きっとお喜びになっているんじゃないかと思います。私にとりまして森光子さんは本当に大事な、そして尊敬する親友、心の友とでも言いましょうか、青春時代からのお友達でございます。お付き合いをしていただいていますけれども、とにかく健康、そしてこの素晴らしいお友達を持った私は、本当に心から誇らしいと思っております。私もこれで良いという答えの出ない道をいつまでも歩いて参ります。森さんの健康とご多幸を祈ってご挨拶に代えさせていただきます。」

 ミス・ワカナが亡くなった後はどうなったのか、気の毒な玉松一郎役の段田安則さん。
「それは僕も晩年が、ちょっとマズイということですか?・・・そんなことは無いですね(笑)。今日は本当にありがとうございます。400回と言うのは凄いんですが、今日数えましたら、森さんの着替えが大体この芝居で10回有るんですね。ということは10×400。簡単ですね、4000回の着替え。これの方の記念も無いのかな?(笑)、と思っている次第でございます。ともあれこの400回の内、今日で私は60回を数えました。偉大なる先輩、芦屋雁之助さんの後を引き継がさせていただきまして、400回の内の60回を自分も参加出来たと言うのは本当に光栄に思っております。森さん、ありがとうございました。」

続く

 

 


   

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