多くの報道陣が集まった帝劇の稽古場で、幸せを夢見る気持ちを歌った名曲「♪ラブリー」、“淑女としてのテスト”の場として選ばれたアスコット競馬場の2シーンを披露した大地さん。
15年目の上演に向けて「気が付けばそんなに経ったんだな、という感じです。今回は新しいキャストも増えてとっても新鮮な感じで、お稽古場が今楽しくて、どんな風に出来て行くのかな、って感じですね。」と笑顔を見せます。
そして6年ぶりとなる東京での公演に向けて「名古屋、九州・博多座、大阪とやってきましたので、あまり6年ぶりと言う感じはしないんですけれど、やっと東京でこの21世紀ヴァージョンをお披露目する事が出来るので、とても嬉しいですね。装置が全然違いますし、お父っつあん以外の方は初参加の方々で、本当に”新作”って感じですね。」と気合の入った表情。
役創りのポイントを聞かれて「彼女の変わり身、見た目もそうですけれど、内面的な変化を丁寧に創って行きたいといつも思っていますし、鮮度を一回一回大切にしたいと思っています。初演の時から素顔に見えるようなメイクにして、汚しは敢えて付けないで、しょっちゅうウィンドウガラスに映っている自分を気にして「汚れていないかな、」とか、それなりに気を使っている娘だというのが私の考えなんです。」と独自の解釈を披露します。
そんな大地さんのイライザをこれまで見てきた“お父っつあん”ことドゥーリトル役の上條恒彦さんは、「15年間で変化したとは僕は思わないんですね。キープする事って凄く大変で、公演中は一切お酒を断つとか、食べ物にも本当に気をつけてキープしてらっしゃる。その事にむしろ驚嘆すると言うか、――もちろん人間的に幅が広がっているのもありますけれど、それは当然の事で、――キープしている事に凄く感動すると言うか、凄いなあと思いますね。」と感嘆のコメント。
その秘訣を「お父っつぁんから貰った乾燥イチジク食べて、後、朝食はいつも同じメニューですね。酢大豆とか梅干とかフルーツ、豆乳とか黒ゴマきな粉とか青汁とか玄米パンとか、凄く食べるので皆さんびっくりされるんですよ。」と明かす大地さんに、聞いている報道陣からも思わず、「そんなに食べてそのスタイルを・・・」と声が挙がります。
そして初出演となるフレディ役の浦井健司さんは、「大地さんは科白に感情が凄く乗っかっていて、最初に稽古した時に「痛ぇなあ、この野郎!」と言われて僕、土下座したんです、「どうも、すみません。」って。「ああ、これで僕の『マイ・フェア・レディ』は終わったな」と思ったくらいに、感情が凄く伝わってくる初めての経験でした。」と稽古場でのエピソードを披露。
これには大地さんも「科白なんですよ。それを本当に怒ったと思って(笑)。」と大笑い。
同じく初出演となるヒギンズ教授役の石井一孝さんは、俳優としての真央さんの魅力を「自分に厳しいところですよね。この15年間演ってきても、先ほど仰ったように鮮度を失わないというのは、自分を厳しく律していないと出来ないじゃないですか。それが凄いな、と思っています。毎回、昨日より今日、今日より明日と考えていらっしゃるのが良く解かりますので、先輩のそういう所を僕も頑張って見習って自分に厳しく行きたいと思っています。」と語りますが、一方「舞台を降りるとギャグ好きな方で、結構気さくで面白い方ですよ。駄洒落とか。」と、普段の姿とのギャップも明かして、大地さんも「オヤジギャグが好きで・・・すみません(笑)。」と照れ笑いを見せます。
また、ピッカリング大佐役の羽場祐一さんは、「真央さんが舞台に出ると舞台上の空気が変わるんですよね。そうするとそこに居ることが出来たりとか、その空気を動かされている感じがするので、ある意味凄く演りやすいんです。真央さんに引っ張られて自分が上がっていくことが出来るんですが、恐いな、足を向けて寝られないなと思っています。」と、今回がミュージカル初出演ということで、初日が近づくにつれて緊張も増している様子でした。
「宝塚を辞めた時に、何を演りたいと聞かれて思わず「イライザ」って出ちゃったんですよね。どこかに演りたいという潜在意識があったのかな、って思うんですけれど、演ってみると、ドラマとしてもミュージカルとしての音楽も、とてもしっかりしていて、奥深いのでやればやるほど好きになって、とっても大事な、大切な宝物って感じです。」と作品に対する思いを語る大地さん。
15年目の今回もまた、さらに洗練され、さらにパワーアップしたステージが、改めて観客の心を捕らえることとなりそうです。