SHINKANSEN☆RX ROCK MUSICAL 『SHIROH』  
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 時は、三代将軍徳川家光の治世。幕府は鎖国をご定法としていた。
 所は、九州は島原。重税と度重なる飢饅に苦しむ農民は、島原藩キリシタン目付・津屋崎主水(池田成志)らに迫害されながらも、キリシタンを信仰し続けていた。
隠れキリシタンの中心的存在の益田甚兵衛(植本潤)、その娘レシーナお福(杏子)らは、海の上を歩いて渡り、農民を武士達の拷問から救い出し、天主デウスの言葉を伝える救世主―「天の御子」が現れると説き、さしも甚兵衛の息子である益田四郎時貞(上川隆也)であるかのような噂を流して、民衆を扇動し時代を動かそうとしていた。
 しかし、四郎はかって「奇跡の子」と呼ばれていたような奇跡を起こすカを失っていたのだった。奇跡を起こせぬ自分が一揆軍を先導することなどできやしないと、葛藤する四郎の前に幻のように現れ消える不思議な少女・リオ(大塚ちひろ)は自分を信じろと告げる。
 
 そして、その頃天草にもSHIROHと名乗る少年がいた。名はシロー(中川晃教)。
天草の入江にある朽ち果てた船を根城にするゼンザ(泉見洋平)やマツたちと同じく、バテレンと日本人との間に生まれた混血児たちで、幕府からは国外追放の憂き目に合ったものの、船が嵐で難破してしまい、この天草の入り江に流れ着いたのだった。歳若く、人目で混血だとわかるその姿にしても、キリシタン弾圧に興じる幕府役人には目ざとく捉えられるに違いないであろうに、彼らはこの入り江で自由に生きていた。シローの歌のおかげで。シローは不思議なカを持っていた。シローが歌うと、私利私欲に走る三宅蔵人(粟根まこと)ら天草の役人達も、歌に操られ、うまくだまくらかされ彼らを捉えることができないのだった。シローの歌は人の心を操ることができた。その一部始終をみていた女がいた。絵双紙屋のお蜜こと伊賀のクノ一水鏡のお蜜(秋山菜津子)だった。お蜜は、老中・松平伊豆守信綱(江守徹)の命を受け幕府の密偵として放たれた柳生十兵衛(橋本じゅん)の連絡役として天草を探っていたのだ。シローの不思議なカのことは、お蜜の妹で、江戸城での連絡役・伊賀のクノ一お紅(高田聖子)を通しすぐに松平伊豆守信綱の知るところとなった。おりしも、島原藩領主・松倉勝家が旧友・板倉重昌(吉野圭吾)とともに、江戸の松平伊豆守信綱の屋敷を訪ね、島原藩の農民一揆だ、キリシタンの反乱だのという手に負えない内情を解決するがため松平伊豆守信綱に知恵を借りに直参していた。しかし、松平伊豆守信綱は江戸から離れた遠い九州で起こっている島原の窮状が、今後の江戸幕府の治世を成り立たせる為の布石として役に立つことを見越していたのだった。隠れキリシタンだ、豊臣の残党だという戦国の名残という残り火にシローという火種を投じて一気に燃やしつくし片付ける策略をめぐらせていたのだ。

 いよいよ、島原では日増しにきつくなる藩の締め付けに、民衆は暴徒となる勢いを増していた。そんな中、闇市を開きキリシタンや農民を支援する山田寿庵(高橋由美子)が奇跡のカを失ったと告白する四郎に、それならばこそ一揆軍の長にと説き伏せていた。その時を図ったかのように、四郎の父と姉が捕らえられたとの知らせが入った。この暴挙に四郎は立ち上がった。キリシタンの反乱軍を率い、囚われたキリシタンのいる牢獄へ攻め入った。そこには、甚兵衛お福とともに捉えられた天草のシロー達もいた。その少し前、牢獄では、いよいよ進退窮まったキリシタンの囚人たちに、死をもって殉教とすることを説く甚兵衛シローは死んだら何もならないと、生きて自分のカで勝ち取るのだということを歌で諭していた。四郎が見たあの幻の少女シローに呼びかける。シロー歌うのだと。シローの不思議な歌で、カを盛り返す囚人やゼンザ達の様子を見てとり「彼こそ天の御子」だと宣言するお蜜。キリシタンが待ち望んでいた、自分達を導き救う「天の御子」だと。かつての奇跡の子、四郎もそのカを信じ、この戦いにシローのカを使って欲しいと頼む。俄かに「天の御子」と担がれるシローと、反乱軍を先導する決意に立ち上がった四郎、二人のSHIROHは互いの手を取り、島原・天草の反乱軍は大きな気炎を上げた。キリシタンにとってはこの上ない未来への導きをみたことだろう。が、果たしてそうであったのだろうか…陰謀渦巻く聖戦のゆく先は…

すでにこの時二人のSHIROHは、ひとつの悲劇と共に在った。

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