スペクタクル 『十戒』  
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インタビュー


セルジオ・モスケット(モーゼ役)インタビュー 2

●日本では「ロックミュージシャンは宗教家のカリスマに近い」というコンセプトで最近舞台が創られたのですが、ご自身としてもそれは感じられますか

 その演出家の方が言った言葉はロックスターに対する賞賛の言葉かお世辞だと思いますが、自分ではロックスターだと思っていますし、カリスマも有ると思っています。

●ロックミュージシャンというと、その時の自分の感性で動いたりするものだと思うのですが、この舞台では同じ動きを繰り返さなければならないということで、そういう点でのとまどい、大変さは感じますか

 確かにロックというのは自由に歌うものなので、この舞台に比べると全く別物で、やはり舞台を演るにあたっては自由さは無い訳ですね。物語を引っ張っていかなければいけないので、どこでどう演技して、ここではこう演技しなければいけない、と決められていますけれども、『十戒』の中で歌っている歌に関しては自分の歌い方と全く変わりません。モーゼになりきって自分なりのモーゼを歌っています。

●日本人ではモーゼは映画の「十戒」のイメージになってしまうので、映画と見比べるようになってしまうと思うのですが、どのように思われますか

 私も映画は見ました。まず映画とこのスペクタクル『十戒』とは全く違うものです。観客の皆さんは映画のようなものだと思って観にいらっしゃいますけれど、実際このスペクタクル『十戒』というのは映画とは別のもので、とにかく観ていただければお解りになると思いますがセットが物凄く巨大で、それに実際に――映画でも海が割れるシーンがあるのですが――この舞台でも海が割れる予定になっています。それは演出上の秘密なので今はお教え出来ないのですが、これは全く比べ物にならないし、どちらが良いかということは全く言えないと思います。

●今回の舞台は映画から創られたと聞いていたので、同じようなものだと思っていました。

 モーゼの十戒という物語は一つしかないので、確かに演出家のエリ・シュラキは「十戒」の映画を見て勉強してこの舞台を実現に導いた訳なんですけれど、映画とこのスペクタクル『十戒』の全く違う点は、映画では色々な悲劇とかバイオレンスとかそういうところも表わされていたのですが、このスペクタクル『十戒』はメッセージが“平和”とか“自由”、それから“愛”、そういうものを皆さんに伝えられるような素敵な夢物語なんです。

●今回は非常にスケールの大きな舞台と伺っていますが、一万人規模の舞台に立つ大変さや、空間の広さを意識しますか

 劇場の良さというのはダイレクトに観客の感情が伝わる事で、特に大きい劇場だからといって特別に意識をしている訳ではなく、例えば一人の観客だとしても演じることに関しては全く同じだと思います。やはり素晴らしく演じるとか、間違えてはいけない、とか、これはナマなのでヘマしてはいけない、とか、自分の感情を集中させることには凄く意識をします。

●今回はイタリア公演から参加されたという事ですが、フランス公演はごらんになりましたか

 フランス公演を観た時は既にイタリア公演のモーゼのオファーを受けていたので、モーゼに注目していました。イタリアでは9ヶ月間各地を廻って演じました。『十戒』はパリからイタリアへ、そして今度は日本に来ました。

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