インタビュー
 大竹しのぶさん−1

大竹しのぶさんに聞く−1

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初めての蜷川作品ですが、いかがですか?
【大竹】 凄く楽しいです。

今まで野田さんの作品にはいくつか出演なさってますが、蜷川さんの演出でやるのはいかがですか? 例えばタッチの違いとか。
【大竹】 最初に戯曲を読んだときは野田さんの世界で、野田さんの描き方というか野田さんの演出が浮かんできちゃうという部分があったんですけど、やっぱり蜷川さんの手に掛かるとまた違う世界が加わって、野田さんの戯曲だけども、全く違う世界にみんなを連れてってくれるんじゃないかなって思います。ある程度野田さんのリズムとか、そういう除外視できない所もあるけれども、もっと深く−−深くって言ったら語弊があるんですけど、また違う拡がり方をしてるので、凄く面白いですねえ。

「ヒメ女には是非大竹さんを」、と蜷川さんが仰っしゃったと聞いていますが、オファーを聞かれた最初の印象というのは
【大竹】 だから野田さんがこの戯曲を書いて、全く関係なく「出来上がったから読んでみない」といわれて、そのときは天海さんのイメージで私は読んでたんです。だからすごく天海さんに当てて書いてる部分もあるので、すごくいい脚本(ホン)だな、天海さんがやったらカッコいいだろうな、って読んでたので。だから最初言われたときはびっくりして、全然あたしは女王様という感じでもないし、ちょっと尻込みしていたんですけど。
本当にそこにいる、砂が、砂地に、そこに立っていて、本当に古代の遺跡にいるみたいにやってもらいたい、と言われて。蜷川さんとは前々から、お仕事したいと思っていて、何で最初にやったら良いかと、ずっと話してたんですけど、こんなに突発的にやれるとは思ってなくて。でもやってみたら、自然に。
野田さんの演出だと、真夏の夜の夢のときに思ったんだけど、普通だったら走らなくてもいいところも走ってセリフ言ったり、たくさんの人で大きな声を出して、それによってエネルギーが出る、っていうのがありますよね。だから野田さんの世界に入っていく訳だけども、これは本当にあたしの中から出てくるものを蜷川さんが引き出してくれてるんです。自分の体が無理をしてない、というのがすごく楽で、自然な形で出てくるものを蜷川さんが拾ってくれるっていうか、それは蜷川さんの演出のやり方だと思うんですけど、役者から自然に出てくるものを待ってくれて導いてはくれるけれど、無理強いはしないっていうところが・・・野田さんが無理強いしてるわけではないですけど(笑)。
野田さんは野田さんの世界に自然に持って行ってくれるわけですけど、そこで教えてもらったことも凄くあったし、そういう意味で多分全然違う作品になるだろうな、というのが解ります。




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