インタビュー
 大竹しのぶさん−2

大竹しのぶさんに聞く−2

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稽古に入って、ガレキの山のこのセットをいきなりご覧になった感想は
【大竹】 イメージで、焼け跡みたいなイメージというのは、最初から聞かされていたんですね。そこにあたしが立っているって、鳥居があって−−今これ舞台じゃないから鳥居も無いですけど−−そのイメージを聞いていて、衣装もこんなイメージで、というのも稽古始まる前に聞いていて、すごくそれだけでゾクゾクしてそこに立ちたいって思ったんです。そこが発掘現場にもなり、古代の王国にもなる、そして焼け跡にも見えるし、という、そのイメージの深さというのは凄いな、って。で、そこに古代の王国が本当にあったんじゃないかって思わせる、夢物語ではなくて、もしかしたら本当にそうだったのかもしれないって、思わせたいな、って思いますね。


これはある意味では恋物語な訳ですが。14歳の少女の設定ですよね
【大竹】 14じゃないです。19ぐらい。向こうは14なんですか?

14歳になったばかり、というところから始まるんです。
【大竹】 ええ? そうなんだあ。ぜんぜんそういう感じ・・・40歳ですか? って聞いたぐらいだから(爆笑)。でもそれはちょっと悲しいんで、19歳になりました(笑)。

野田さんの芝居の特徴でもあると思うんですが、話の芯は恋物語ですよね。これが蜷川さんのアレンジメントだとどういうヒメ女になるのでしょう。

【大竹】 恋だけじゃないですね。恋とかそういう甘いものじゃなくて、愛とか。恋という言葉を使うんだったらやっぱり愛だし、それも男と女の愛ということじゃなくて、もっと大きなものになると思いますね。
男と女の愛ということではなくて、もっと深い、悲恋とかそいうことじゃすまされないというか、人間の持っている愛っていうものでも通じない戦争とか、そういう悲しさとか、あんまり蜷川さんの世界は甘くないですね。そこが面白い。
でもお芝居というのは、どういうとらえ方をするかは観てる人が勝手にとってくれればいいから、悲しい恋の物語だわ、と思ってくれてもいいし、戦争って本当にヒドいことなんだ、って思う人もいるだろうし、ビジュアル的に美しかったって思う人もいるだろうし、どうとらえても、それは全然構わないです。ただ恋っていうより愛とか大きいものがこの作品にはあると思います。それは野田さんの戯曲の時点からあると思いますね。うん。

ありがとうございました。
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