16歳の誕生日を迎えたジョーはその日の夜、恋人のサラと北ロンドンのカムデンにある運河に居ます。そのとき彼が犯した些細な罪をきっかけに、ゴーストとなって現れた父親によって、彼は〈良いジョー〉と〈悪いジョー〉の2人に分裂します。一方は警察に捕まり連行され、もう一方は見事に警察の手から逃れ、その後それぞれ2つの人生を歩み出します。この2つの人生は同時進行でめまぐるしく往復しながら進行し、まるでマジックを見ているような衣裳チェンジなど、息もつかせぬ急展開で最後まで突っ走ります。
あるキッカケから〈良いジョー〉と〈悪いジョー〉の2人に分かれてしまう主人公ジョーを演じるのは、シンガーからスタートして、『モーツアルト!』の主演をきっかけに『キャンディード』『SHIROH』などで次々とタイトルロールを演じ、今やミュージカル界でもスターとなった中川晃教。
その相手役となるサラには『ナイン』『リトル・ヴォイス』『阿国』などでその実力が高く評価されている池田有希子。そして2人の友人役には、坂元健児、新納慎也、入絵加奈子、瀬戸カトリーヌ、と、ミュージカルでもお馴染みのメンバーが揃いました。さらに池田成志、後藤ひろひと、香寿たつき、今井清隆など、人気も実力も兼ね備えたキャストが集結し、このロンドン発のロックミュージカルに挑みます。
その全編を彩るミュージカルナンバーは、かつて車のCMのムカデダンスで日本でも大人気を得たマッドネス。その音楽はスカとロックを融合させた軽快なサウンドで、1979年のデビューから1986年の解散まで、クールなダンスミュージックとしてヒット曲を飛ばし続けました。今回の公演にも出演し、訳詞も手掛けた後藤ひろひと氏は、熱狂的なマッドネス・ファンだそうです。
美術は『太平洋序曲』(宮本亜門演出)で2005年度トニー賞ノミネートを果たした、松井るみが担当。そして、これらのキャストとスタッフを、独自の公演を始め、パルコ劇場との共同制作や翻訳ものも手掛けるなど、多岐に渡るハイペースな活動で注目を集める演出家G2が、ミュージカル初演出で纏め上げます。
シアターフォーラムでは、公演まで2週間と迫った『OUR HOUSE』の稽古場にお邪魔して、中川晃教さん、池田有希子さんを初めとする出演者の方々、そして演出のG2氏、さらには後藤氏にも単独インタビューを行い、このミュージカルの魅力と、今回の公演に賭ける意気込みをたっぷり、そして楽しく語っていただきました。
このインタビューはテキストと動画でも掲載を致します。こちらも併せてご覧いただいて、公演への期待をさらに膨らませていただければと思います。
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