アメリカ演劇界における最高の名誉とされる“トニー賞”の発表と授賞式が2006年6月11日（日本時間6月12日）にニューヨークのラジオシティ・ミュージカルホールで行われ、27部門の受賞者が決定しました。

　今年で60回目という節目の年を迎えたトニー賞ですが、今回の最多ノミネートは、＜ミュージカル＞では『ドラウジー・シャペロン』の13部門で、『カラーパープル』の11部門がこれに続き、＜演劇＞では、『醒めて歌え！』の8部門、『ヒストリー・ボーイズ』の7部門となっていました。

　今回、最優秀ミュージカル作品賞の栄誉を得たのは『ジャージー・ボーイズ』。
　1960年代に活躍した4人組のポップ・グループ「フォー・シーズンズ」の成長と成功を描いたこの作品では、John Lloyd Youngが最優秀主演男優賞を、Christian Hoffが最優秀助演男優賞を、それぞれ受賞しています。

　最優秀演劇作品賞は『ヒストリー・ボーイズ』が受賞の誉れに輝きました。
　2004年にロンドンで初演され、2005年のオリヴィエ賞最優秀作品賞も受賞した同作品は、ロンドン公演のオリジナルキャストにより9月3日までの期間限定で上演されていますが、この他にもRichard Griffithsが主演男優賞、Frances de la Tourが助演女優賞など合計で6部門を受賞し、今回の最多受賞作品となりました。

　また、演劇功労特別トニー賞（Special Tony Award for Lifetime Achievement in the Theatre）は、 演出家であり、プロデューサーでもある Harold Prince（ハロルド・プリンス）氏に贈られますが、氏はこれまでに最優秀ミュージカル演出賞8回を始め、20回のトニー賞を受賞しており、これが21度目となります。
　ちなみに、最初の受賞は1955年の『パジャマ･ゲーム』での共同プロデューサーとしてであり、今年同作品が最優秀リバイバルミュージカル作品賞を受賞したのも、何かの縁を感じさせるところです。

　尚、この模様は全米では日曜の夜に生中継されましたが、日本では6月25日(日)19時30分よりNHK-BS2にて放映される予定になっています。

第60回トニー賞　受賞一覧