やくざに頼まれ偽装結婚のために妻の籍を売ったしがない男と、その男の妻になりすました女の数奇な運命を描く
浅田次郎原作『ラブレター』。
1996年「オール読物」に発表され、その後、短編集「鉄道員(ぽっぽや)」に収められて刊行されたこの作品は、1998年には森崎東監督の手により中井貴一、山本太郎、耿忠、根津甚八らの出演で映画化され、また2001年には韓国のソン・ヘソン監督により「パイラン」(Failan)として、「シュリ」で日本でも知名度の高いチェ・ミンシク、セシリア・チャンのキャストで映画化されている他、ながやす巧による劇画版も出版されています。
その『ラブレター』が、2002年度の文化勲章を受章した日本映画界の最高峰・新藤兼人の脚本・演出で舞台化されたのは2004年の事。現代日本を代表する作家・浅田次郎と、2002年度文化勲章を受賞した日本映画界の最高峰・新藤兼人の二人が初めて組んだ話題作は、多くの人たちの感動を呼びました。
そして2006年、その感動が再び戻ってきます。
今回、主演の裏ビデオ屋で働くチンピラヤクザ・吾郎を演じるのは、映画・テレビドラマはもとより、バラエティー、出版、舞台などでマルチな活躍で人気の金子昇。
その偽装結婚の相手となる中国人女性・白蘭には、モデルから女優になり、映画・ドラマを始め、リポーターとしても活躍中の吉本多香美。
さらに、舞台を中心に活躍するジャニーズ事務所の佐野瑞樹、ベテラン滝田祐介らが顔を揃え、この哀しくも純粋で美しい物語を綴ります。
女性を描いては右に出る者がいないと言われる、浅田次郎・新藤兼人が組んだ至福の舞台。既に原作・映画などで涙した方も、今まで御存知なかったという方も、舞台ならではの静かな感動を味わいに劇場へ足を運ばれてはいかがでしょうか。
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