俳優・今井雅之が原作・脚本・演出・主演を手掛け、1988年に上演された原型とも言える公演『リーインカーネーション』から、今年で18年目を迎える舞台『THE
WINDS OF GOD』。
ご存知の方も多いかも知れませんが、舞台版『THE
WINDS OF GOD』は、1991年のロサンゼルス公演を皮切りに、ニューヨーク、ロンドンなどで度々英語による公演を行ってきました。
日本の神風特攻隊の話でありながら、宗教や人種の枠を超え、海外でもスタンディングオベイションをうけるなど大絶賛され、ニューヨークタイムズ紙などにも数多く取り上げられています。
その上演に、今井さんが一度はピリオドを打とうと思ったのが2001年。全国ツアーの最終地、9月9日の沖縄公演で全てを終えた筈だった2日後に起きた「9.11同時多発テロ」が、今井さんの決意を、そしてこの作品の運命をも変えることになりました。
ビルに突撃する飛行機の様子をメディアが伝える際に使われた“カミカゼ・アタック”という言葉。これを聞いた今井さんの「この舞台を10年間、アメリカで上演してきたことは何だったのか!」という悔しさが“英語脚本による再映画化”、そして舞台版の復活へと繋がって行きます。
戦後60年の節目である昨年2005年9月にはテレビ朝日系列にて同タイトルでドラマ化され、大きな反響を呼んで、文化庁主催芸術祭賞・優秀賞を受賞。
それと呼応するように舞台版『THE WINDS OF GOD』も4年ぶりに復活。3ヶ月間、34都市・51公演という最大規模の全国ツアーを行い、約5万人の観客を動員し、18年の時を経ても未だに全く色あせていない作品のクオリティの高さを改めて実証しました。
そして2006年。4年越しの企画であった映画版が完成。今井氏自らがメガホンを取り、全編英語での脚本も手掛けたこの映画は、世界でただ1機現存する本物のゼロ戦を飛行させたり、「9.11同時多発テロ」の被災地、グランド・ゼロで世界初の映画撮影を敢行するなど、まさに世界の人々に向けた作品となり、日本では8月末よりの公開(松竹系)、そしてアメリカを中心に海外での公開も計画されているとのこと。
さらに、舞台版『THE WINDS OF GOD』も多くのファンの声に応え、全国21都市・31公演でのツアーを敢行。
「時代が作品に近づいてきた」と今井さんが語るように、18年の歳月を経てますます臨場感を増して行く舞台は、戦争を知らない若い世代からも多くの共感を呼び、感動の輪は確実に全国に広がってきています。
シアターフォーラムでは、そうしたこれまでの経緯を含め、18年間に渡りさまざまな形でこの作品と向かい合い続けてきた今井雅之さんに単独インタビューを行い、30分間に渡って、作品を創られたきっかけから今年の上演、そして映画に至るまで、熱い々々想いを語っていただきました。
こちらは改めて掲載をいたしますので、どうぞその熱い想いを感じていただき、劇場へ、そして映画館へと足を運んでいただければと思います。
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