2005年3月、森光子主演の『放浪記』を最後に、東宝本社ビル建替えのために48年間の歴史に幕を閉じた芸術座。
その跡地に建てられるビル(2007年11月完成予定)には、新たな劇場が設けられる事が既に発表されていましたが、9月13日、その新劇場名の発表ならびにオープニングを飾る作品の製作発表会見が行われて、概要が明らかになりました。
新たに建てられるビルは、地下3階・地上18階からなり、地下3階から地上1階までが新劇場の“シアタークリエ”、2階から18階までがホテル「レム日比谷」となります。
英語名では“THEATER CREATION”と綴り、文字通り「創造の場」として新たな試みに挑んで行く気概を込めた名が付けられた新劇場。
客席数は611席と芸術座より140席、列にして5列ほど少なくなり、前方はスロープ、後方は階段席となって、より舞台が近くなり一体感の感じられる空間となります。
また舞台の大きさはほぼ芸術座と同じですが、高さは2m以上高くなり、よりスケールの大きな舞台装置も組めるようになります。また、舞台設備、照明、音響なども最新の設備でパワーアップされ、ストレートプレイ、ミュージカルなど、様々な演目に対応出来るようになりました。
そして、その新劇場のオープニングを飾る作品は、東宝の高井社長が、芸術座を創り上げた菊田一夫氏を継ぐ現代の劇作家として指名したという「平成の菊田一夫」三谷幸喜氏の新作書き下ろし『恐れを知らぬ川上音二郎一座 The
Fearless Otojirou's Company』。
出演は、明治時代、欧米に渡って日本の芝居を上演した川上音二郎役にユースケ・サンタマリア、その妻であり日本人初の女優といわれるマダム貞奴に常盤貴子。さらに一座の経理・助川タエ役に戸田恵子、文芸部・伊藤実役に堺雅人、一座の番頭・甲本伊之助役に堺正章など、人気、実力、スケール共に優れたキャストが勢ぞろいしました。
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