11歳で出演したミュージカル『レ・ミゼラブル』から16年、『RENT』『オケピ』をはじめ数々の舞台に出演して高い評価を得る一方、NHK大河ドラマ「新撰組!」では土方歳三を演じて人々の記憶に新しい、山本耕史。
その山本耕史が、2007年に新たなる試みとして挑むロック・ミュージカル、『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』が2月15日に初日を迎えて、現在、新宿・歌舞伎町のライブハウス“新宿FACE”で上演中です。
このミュージカルは、ヘドウィグが率いるアングリーインチというロックバンドのライブ形式で進行していくもの。今回、山本耕史が演じるヘドウィグは、国境を越え、自由を手にする為に受けた性転換手術の失敗で“怒りの1インチ(アングリー・インチ)”を残されてしまったロックシンガー。派手な衣裳を身にまとい、自らの波乱の反省を過激な言葉で笑い飛ばし、今では名曲となった「♪THE
ANGRY INCH」「♪THE ORIGIN OF LOVE」などをグラムロックにのせて時に激しく、特に切なく歌い上げます。
ブロードウェイで監督・脚本家としても活躍する俳優ジョン・キャメロン・ミッチェルと、作詞・作曲を手掛けるスティーブン・トラスクとのコラボレーションにより生まれたこの舞台は、ニューヨークでは“ヘドヘッド(HEDHEAD)”と呼ばれる熱狂的ファンを生み出すなどセンセーショナルな話題を集め、2001年には舞台同様ジョン・キャメロン・ミッチェルの主演・監督・脚本により映画化されて、全米で大ヒットし数多くの賞を受賞しました。
日本でも2002年の映画のヒットに続き、2004年、2005年には三上博史主演で上演されて話題になったこの作品ですが、今回は“みずみずしいヘドウィグ”を創り上げるためにキャスト・制作陣を一新。「僕にとって未知の分野、(ヘドウィグは)チャレンジ」と語るように、その長い舞台歴の中で“人生初”ともいえる過激で奇抜な難しい役どころに挑む山本耕史をはじめ、ヘドウィグに見出されライブを一体となって盛り上げる、ヘドウィグの“夫”イツァーク役は、2006年6月にCDデビューした新人、中村中(なかむら
あたる)が初舞台で演じます。
“オンナとオトコ”両性の魅力を備えた派手なパフォーマンスの裏側に見え隠れする愛への渇望と深い喪失感。「ヘドウィグが本当に伝えたいものを伝えたい。」と語る山本耕史によって生まれる新生ヘドウィグ。
人種や性別、国境を越えて世界各国で共感を呼んだ名作が、2007年春、山本ヘドウィグによってブラッシュアップされて帰ってきました。
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