劇団スーパー・エキセントリック・シアター出身の俳優、岸谷五朗と寺脇康文が1994年に結成した企画ユニット“地球ゴージャス”は、1995年の第1回公演『
瓶詰の地獄 』を皮切りにこれまでに8本の作品を手掛け、昨年には東京・歌舞伎町にある新宿コマ劇場での1ヶ月公演『HUMANITY
the musical』を成功させてきました。
その最新作『ささやき色のあの日たち』では、第4回公演『さくらのうた』以来7年ぶりとなる渋谷・Bunkamuraのシアターコクーンを使い、大人の男女に送る、リアルでほろ苦い“ささやき色の”ファンタジーを描き出します。
時や場所のわからない透明な光のような空間。そこで初めて出会った二人の男が、何故だかわからないまま、どちらともなくそれぞれの人生を語りだす。幼いときの事、青春の出来事、様々な出会いと別れ・・・、。その度にその情景がくっきりと描き出され、男は相手の過去を眺める傍観者となる。
やがて、中年男2人の話題は、一つのことに集中していく。
それは、「俺が出会った女たち」。
見栄と恥が混ざり合った男たちのバカバカしいラブストーリー。そして、その裏に潜む彼らの真実の顔。
それは―――――― 最高の女との物語。
出演は、主人公の男2人に、俳優としても多くのテレビ・映画でその個性的な魅力を発揮しているほか、地球ゴージャスの公演ではこれまでの全ての演出を手掛け、最近では『FROGS』の演出(9月に東京芸術劇場で再演)が注目されるなど、演出家としても評価が高まっている岸谷五朗と、映画『血と骨』『ゴジラ
FINAL WARS』『戦国自衛隊 1549』、ドラマ『大奥』『夜王』『バンビ〜ノ!』など、幅広い役柄を高い演技力でこなして高い注目を集め、また今年の3月には、蜷川幸雄演出の『恋の骨折り損』(彩の国さいたま芸術劇場)で主演を務めるなど舞台公演にも積極的な北村一輝。
そして、この2人の人生に圧倒的な存在で君臨する女たちには、『二万七千光年の旅〜世紀末の少年〜』『オイル』(野田秀樹:演出)、『エレクトラ』『白夜の女騎士(ワルキューレ』(蜷川幸雄:演出)、『荒神』(いのうえひでのり:演出)と、当代を代表する演出家に鍛えられ、またテレビではバラエティ『ココリコミラクルタイプ』のレギュラーとして人気を博す山口紗弥加と、1998年NHK朝の連続テレビ小説「天うらら」のヒロインでデビューし、その後も幅広く活躍。舞台出演にも2000年の『カノン』(野田秀樹:演出)を皮切りに、ほぼ年1本のペースで『新・近松心中物語〜それは恋〜』(蜷川幸雄:演出)『JAILBREAKERS』(G2:演出)などに出演し、今年11月にも鄭義信:作・演出の新作への出演が決まっている須藤理彩が挑みます。
出演者からは、この公演に対して以下のような意気込みが寄せられました。
岸谷五朗「前回、『HUMANITY the musical』で10万人というお客様に来ていただきまして、そこから逆にすこし変わった作品を作りたいと思って、それに素晴らしい俳優さんが集まってくれました。ちょっと変わったエンターテイメントができるなという予感がしています。」
北村一輝「楽しんでます。楽しませるには自分が楽しむことだと思っているので。あまり難しく考えずに、創ってきたものを一番いい状態で出せればいいかなと思っています。」
山口沙弥加「稽古の入る前に(岸谷)五朗さんから稽古場は楽しいから頑張ろうねって言われていたのに、稽古場がすごく辛くて(笑)、嘘つき〜と思いながらやっていたんですけど、この稽古で人生初の側転ができるようになりました。ホントに参加させてもらってよかったなと思っています。今はロックなおねえちゃんを頑張って演じたいと思っています。」
須藤理彩「第一回公演から拝見させていただいていて、すごく大ファンで出たいという希望を(岸谷)五朗さんに伝えていて、今回声をかけていただいて、毎日が楽しくて、やっと参加できて一つ夢が叶ったという充実感で一杯です。」
作・演出も手がけた岸谷さんは、「王道のいわゆる広い層のお客様に見ていただける作品を作らないと10万人という動員数はありないです。(前作は)誰でも楽しんでもらえる作品を作ったのですが、今回はお客様にちょっと一緒に考えてもらえる作品じゃないかなと思っています」と、この作品の意図を語っていました。
他にも歌やダンスのスペシャリストを揃え、スタイリッシュなエンターテインメントとしても高い完成度を誇る『ささやき色のあの日たち』。
8月26日までの東京公演の後は、大阪・新潟・名古屋でも上演が行われます。
さあ、この“大人のメルヘン”、誰と一緒に観に行きますか?
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