シアターフォーラム    

東宝は社運を賭け、キャストは命を賭ける!? 『イーストウィックの魔女たち』

 飛んでるデビル=ダリル・ヴァン・ホーン、そして3人の魔女たちと言えば、2003年12月に帝国劇場で上演され、従来のミュージカルコメディの概念を突き破る面白さと、フライングシーンで話題を呼んだミュージカル『イーストウィックの魔女たち』。

 2005年7月には福岡・博多座で再演されて、連日大盛況を博したこの舞台が、2007年10月9日に帝国劇場で待望となる再演の幕を開け、11月12日まで公演中です。

 今回の公演では、主役のデビル役=陣内孝則をはじめ、別居中の夫から離婚状が送られてきた音楽教師のジェーン役の涼風真世、不倫中の新聞記者スーキー役の森公美子、という初演以来のメンバーに加えて、バツイチで子持ちの彫刻家・アレクサンドラにマルシアが新たに参加、イーストウィックタウンを牛耳る新聞社のオーナー・フェリシア役の大浦みずきや、実力派揃いのアンサンブルキャストらと共に、ミュージカルの醍醐味である歌とダンスで魅了します。

 初日を前にしての記者会見では、陣内さんが『この作品に俳優生命を賭けていますから。東宝も社運を賭けていると言っていますし(笑)、私としても力が入っています。』と語ると、さんは『私は命を賭けています。今回のフライングは凄く速い速度で行くものですから、そういった意味では命が賭かっています。』と応じます。

 初演でも話題になったフライングですが、『森公美子さんを飛ばすために、初演の時に天井の補強工事で4千万掛けました。それとフライングのシステムは単に吊り上げるだけではなく、一度上に跳んだものが別のワイヤーに引っかかって、それが客席の方へ飛んで行くものが、コンピューターシステムで行われていて、そのシステムには億単位のお金がかかっています。』と解説してくれたのは、『本当に社運を賭けています。』と力が入る東宝の製作スタッフの方。
  『イギリスから5人のスタッフが来日して、各自の体重に合わせたデータをコンピューターにインプットして、飛ぶことが出来るものです。普通の人のワイヤーは3ミリ、森さんだけは負荷が大きいので4ミリになっています。森さんは初演時と体重が変わってなければ108キロ。空飛ぶ除夜の鐘として有名になりました。』との説明には、報道陣も爆笑です。

 その森さんと一緒にフライングを行う涼風さんは、『私は今回少し高く飛ぶ事になったんですけれど、もう嬉しくてしょうがないんです。3人の中で一番高い所が大好きなので、凄く気持ちよく飛んでいます。』と笑顔をみせますが、今回の公演から参加のマルシアさんは、実は高所恐怖症との事。
  『本当に高い所は駄目なんです。最初の日は体が固まっちゃって、次の日に首が動かなくなったくらい、身体全部に力が入って・・・』と緊張の連続のようですが、『でも、仕事と思えばやります。大丈夫じゃないけれど・・・・楽しくやります。』とプロとしての根性を見せます。

 共演する大浦さんも『昨日初めて飛んだのを見て、やっぱり感動しましたね。』と語るほど、さらにパワーアップしたフライングシーンは、やはり大きな見所と言えそうです。

 見所と言えば他にも、『今回、陣内さんは本当に笑わせますよ(笑)。オンステージで、本当に可笑しくて笑っちゃうんですよ。凄く可笑しいです。セリフの言い回しなんか、“練りに練ったこの2年間”という感じで、博多の公演からかなり練っているんですよ。敵わないですね、流石ですよ。』と絶賛するさん。
  その陣内さんは、『もういっぱいいっぱいですから。それより皆さんの歌が素晴らしいんですよ。僕は芸能生活26年、人間性だけでここまで来たんです(笑)。決して技量があって来た訳ではないので、皆さんのように美貌と技量が有る方とご一緒できるのは本当に役者冥利につきます。』と女性キャストを称えます。

 また、今回の公演では陣内さん曰く『マルシアさんに、帝劇始まって以来の素晴らしいお色気シーンがあります。』そうですし、『皆で創り上げた作品なので、私たちも楽しめてお客様にもそれが伝わるよう、陣内さんを中心にパワー全開で頑張ります。』と涼風さんがコメントしたように、ミュージカル『イーストウィックの魔女たち』は、明るく楽しく、舞台と客席が一体となって空間を創り出し楽しめる演出に新たに仕上げられ、再演の日を迎えました。

 日ごろ、何かと不満の多い方はもちろん、ただ笑ってスッキリしたい方にも、ちょっと女性の自立を考えてみたい方にも、もちろん男性の方にも、この秋にお勧めしたい舞台の一本と言えそうです。

陣内孝則











  



ミュージカル
  
『イーストウィックの魔女たち』


日程  2007年10月9日(火)〜11月12日(月)
会場  帝国劇場
料金  S席 12,000円 A席 8,000円 B席 4,000円
チケット  東宝テレザーブ 03-3201-7777  ほかプレイガイド
お問合せ  帝国劇場 03-3213-7221

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