芸術座9〜10月公演、宮尾登美子原作『仁淀川』の製作発表が、主役の沢口靖子さんを始め、山村トミ役をリレーで勤める淡島千景さん、草笛光子さん、池内淳子さん、淡路恵子さんらが出席して都内のホテルで行われました。
『仁淀川』は『櫂』『春燈』『朱夏』に続く、宮尾登美子さんの自伝小説4部作の最新版。昭和21年秋、敗戦となった満州から、三好綾子(沢口靖子)が夫と幼い娘と共に、命からがら引揚げてくるところから物語は始まります。
沢口さんといえば、最近は三谷幸喜作・演出の『バッド・ニュース☆グッド・タイミング』、井上ひさし作・いのうえひでのり演出の『天保十二年のシェイクスピア』とコメディ系の芝居に続けて出演したり、大ヒットアニメ映画「千と千尋の神隠し」で声優を務めたりと、活動の幅を広げてきましたが、今回は本格的な文芸路線で、脚本を担当した堀越真氏いわく「地味な話でキレイな着物を着るシーンは一つもない」という舞台に挑みます。
今回の公演について沢口さんは「私の代表作である『蔵』から三年、宮尾先生の作品でたくましく生きていく女性を演じられることがとてもワクワクしています」と語り、新たな代表作にしたいとの意欲を感じさせます。
また、今回体調を崩されて降板された山田五十鈴さんに対して、「初舞台の『女ぶり』という作品の時に娘役でご一緒させていただいて、十二年ぶりにご一緒させていただけるのをとても楽しみにしていたのですけれど、今回非常に残念に思っております。一日も早い御回復を祈っております。」と大先輩に心からのメッセージを送っていました。
公演は9月1日より10月28日まで、東京有楽町の芸術座にて。
チケットは、東宝テレザーブ(03-3201-7777)にて発売中です。
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