現在、帝国劇場で上演中のミュージカル『ラ・マンチャの男』。
1969年4月の初演以来、主演を務めてきた松本幸四郎丈が、8月19日昼の部において、ミュージカルでは最多となる単独主演一千回を達成しました。
万雷の拍手に迎えられての記念のカーテンコールでは、まず上條恒彦さんから、劇中のナイトの称号を授ける仕草で花束を贈呈。
続いて登場した先代のアルドンサ役、鳳蘭さんとは抱擁を交わします。
鳳さん「一千回達成おめでとうございます。この一千回のうち私は297回ご一緒させていただきました(場内拍手)。これを私は大変誇りに思っております。一千回は幸四郎さんにとってまだまだ通過点です。これからも更に更に演じ続けてくださるよう、心からお祈り申し上げます。どうもおめでとうございました。」
また、『屋根の上のヴァイオリン弾き』で、歴代2位となる900回の主演を果たした森繁久弥さんからは「『ラ・マンチャの男』と言えば、これにやっと対抗したのが『屋根の上のヴァイオリン弾き』であろう。ところが、それを演じる私が歳に対抗できず、一千回の寸前で降りたので金字塔を失った。全員の希望も強く迷いに迷った。ここにその良き友の『ラ・マンチャの男』が一千回を越す祝いとなったが、私としては泣くにも泣けぬ無二の気持ちである。役者も歳を言われれば、何とも良い返事が出来ない。ここにもろ手を挙げて『ラ・マンチャの男』に精一杯の拍手を送ることはやぶさかではない。もう私も90歳である。私の眼にいささかの憧れを見付けたら、私はただただ面はゆい。『ラ・マンチャの男』万歳である。成功を祈るばかりだ。 森繁久弥」とのメッセージが届きました。