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 『アイ・ガット・マーマン』公開舞台稽古

  舞台の上には2台のピアノ。その奏でるメロディと3人の女性キャストによって綴られていく、ブロードウェイの大スター、エセル・マーマンの生涯。

 1987年4月11日、東京・築地本願寺内のブティストホールで幕を開けたこの作品は、たった3日間の公演が評判となり、その後も数々の再演を重ね、日米で様々なキャストにより15年間で500回を越える上演回数を数えるまでになりました。

 演出家・宮本亜門氏のデビュー作、『I GOT MERMAN』。

 昨年には、アメリカ・コネチカット州で現地キャストにより公演を行い、来年5月にもアメリカでの上演が予定されているこのミュージカルが、銀座・博品館劇場での10月25日の初日を前に、初演以来のオリジナルキャスト(諏訪マリー・田中利花・中島啓江)による舞台稽古が公開されました。

  終演後に行われた記者会見では、初演時を思い出して、亜門さんが「最初は借金をして、キャストに個人的に電話をして出演をお願いして、150人位の小さな劇場で3日間だけの公演のつもりだった」と語れば、田中利花さんも「初舞台で亜門さんと共演したのだけれど、こういう舞台を絶対に創りたいという話を聞いた時に、彼の為にも是非演りたいと思った」と応えます。
 また諏訪マリーさんは「マーマンの命の限りを尽くしてやっていく、という感じが好きです。当時、共演したときに聞いた亜門さんのミュージカルへの想いが全部詰まった作品だと思います」と、にこやかに話し、中島啓江さんは「突然の電話での直接交渉で、(亜門さんの)全く顔も知らないけれど、逃せられないような縁を感じてOKしてしまった。でも、初日が空くまでは本当に辛くて、亜門を何回も踏み潰したいと思った(笑)」(亜門さん「ゴジラじゃないんだから(爆笑)」)と当時を振り返ります。

  「実力のある3人を舞台でぶつけてみたかった。集まって楽しい、登場しただけで幸せになるキャラクターを求めた」とあって、評判の高い見応えのあるステージですが、殆ど出ずっぱりの3人にとっては、時には客席までその息使いが聞こえる程のハードな舞台。健康・体力が大切と口を揃えます。

 「今回の公演に際しては、細かい変更とともに、もう一回初心に戻るような稽古をした。キャストには精一杯舞台の上で、汗をかいて出し切ること求めた。今までで一番キツイかも知れない。」と語る亜門さん。リピーターの観客も多く、上演を重ねる毎に、より厳しい目に晒されるとあって、2002年版のステージは更にパワーアップ!
   そんな3人に、他の人には譲れないお気に入りの場面を聞くと・・・
 中島啓江さん「そりゃ、ピアノの上でしょ!(笑)。実は高所恐怖症で閉所恐怖症なので、恐くて引きつっているんですが、これは私しか出来ないと思って頑張ります」
 諏訪マリーさん「全てですけれど、特に最後のシーンは全てが集約されていて、大変だけれども楽しい場面です」
 田中利花さん「なんてったって、ライオンかも知れません(笑)。後、客席から出るのは大好きで、お客さんに絡むのも好きです」
 実は、利花さんのライオンは、普段からの噛みつく仕草を亜門さんが取り入れて出来た場面だそうで、そう思って観るのも楽しいかも知れません。

 また、今公演の後半はウィッチィ・シスターズ(浦島りん・シルビア・グラブ・山崎ちか)での上演となることについては、「全く同じ作品を演っても、違う魅力が生まれる。良い作品は次の世代が有って繋がるので、一人一人がマーマンを愛して、沢山のマーマンが出て欲しい。」と語るオリジナル・キャスト。


  森光子さんの「放浪記」、松本幸四郎さんの「ラ・マンチャの男」を目指して上演を続けたいとの意気込みを語る亜門さん。
 その日を目指して『I GOT MERMAN』は進化し続けるのかも知れません。

 なお、東京公演については、各回とも当日券が用意されているほか、日によっては残券もあるとのことでした。
 


公演は10月25日(金)〜11月10日(日)、銀座博品館劇場にて。
その後、福岡・兵庫・大阪・愛知など全国ツアーもあります。

公演の詳細、データなどは特集ページにも掲載しておりますので、ご覧になってください。


お問合せ:ケイダッシュステージ 03−3797−4551

   

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