3・4月の芸術座公演は、北海道・小樽を舞台に35年ぶりに昔の溜まり場だったジャズクラブに集まってきた高校時代の同級生たちの姿を描いた音楽劇『港町十三番地』
彼らを小樽に呼び集めたのは誰か、皆の憧れのマドンナだった少女はなぜ卒業と同時に小樽から姿を消したのか、そして死んだジャズクラブの店主はなぜ幽霊になって店に留まっているのか。
ストーリーが進むにつれ、これらの謎が、そして今抱えている悩みが明らかになっていく、おかしくってほろ苦い、ちょっとセンチメンタルな音楽劇。
芸術座では初めてというジャズバンドの生演奏により、数々のスタンダード・ジャズが演奏される中で、舞台は展開していきます。
出演は、「マドンナ」役に宮本信子さん。劇中では御自分で十八番という「港町十三番地」をはじめ、自身の作詞した「いつか夢みて」などを披露。
また、音楽劇ということで共演者は、鈴木綜馬さん、尾藤イサオさん、高値ふぶきさん、などミュージカル公演でお馴染みの面々。さらに近藤正臣さん、丹阿弥谷津子さんなどが脇を固めます。
舞台稽古の直前に行われた記者会見に現れた宮本信子さんは、冒頭のシーンが1968年の大晦日で高校生という設定なので、三つ編みのセーラー服姿。
「舞台でセーラー服は初めてですが、着心地はいいです(笑)。皆が似合うと言って勇気づけてくれています。今回の役は演っていて面白いし、舞台中を走って喋って歌っています。生のバンド演奏ですからお客さまの反応が愉しみですね。とにかく、今まで稽古で積み重ねたものを、お客様とコミュニケーションを取りながら、愉しみたい。」と、初日が待ち遠しい様子。
「ひばりさんの「港町十三番地」は小さいときから聞いている大好きな愛唱歌。その歌を舞台で歌えるのも挑戦で楽しみです。」と3年前から大好きになったという歌にも力が入ります。
その他、鈴木綜馬さんがピアノの弾き語りをしたり、尾藤イサオさんがアニメ主題歌「あしたのジョー」を歌うなど、遊び心もたっぷり詰まったこの作品。
観終わった後、明日への活力が生まれるかも知れません。
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