「シンデレラ」といえば、ガラスの靴でお馴染みの誰もが知っている物語。
しかし、劇作家・脚本家の鴻上尚史氏は、そのお話に常日頃から疑問を抱いていました。
王子の結婚相手を探す為に、国中の若い女性を集めて舞踏会を開いたのはなぜか?
毎日継母や継姉からいじめられ、こき使われていたシンデレラが舞踏会で華麗なステップを踏めるほど、ダンスに秀でていたのはなぜか?
そして最大のなぞは、なぜ真夜中の12時を過ぎ魔法が解けてしまった後でも「ガラスの靴」だけはそのままだったのか!?
そんな疑問に鴻上氏本人が答えを出して創りあげた物語は、「シンデレラ」のストーリーに、独自の考察を加えてユーモアをふんだんに盛り込んだ、子供だけでなく大人が観ても「クスリ」と笑ってしまうような、初のミュージカル戯曲『シンデレラストーリー』
その『シンデレラ・ストーリー』の製作発表会見が、「シンデレラ」役に1,612人のオーディションから選ばれた大塚ちひろさんを始め、王子役の井上芳雄さん、魔法使い役のデーモン小暮閣下、継母役の池田成志さんなどスタッフ・出演者が勢揃いして、18日に行われました。
会見で鴻上尚史氏は「元のストーリーからは逸脱しないで、昔からあった疑問を解きながら、ミュージカルとして大人も子供も楽しめたらいいなと思って書きました。21世紀版のスタンダードとして、これでブロードウェイに行こうと思ってます。」と、戯曲の出来栄えには大いに自信の様子。
これが初舞台となる大塚ちひろさんは「ミュージカル初挑戦で不安が一杯ですが、昔から歌ったり踊ったりが好きだったので夢のようです。とにかく頑張ることしか出来ないので、皆さんと一緒に頑張るだけです。」と17歳らしく溌剌としてコメントを述べます。
井上芳雄さんは「オリジナルのミュージカルは初めてですし、バラエティに富んだスタッフ・キャストで、どんなミュージカルになるか楽しみです。良いところは残しつつ、期待をいい意味で裏切るように頑張りたい。王子役を演らせて貰えるうちに、究極の王子像を探しながら一生懸命演りたい。」と、「プリンス」はハマリ役といったところ。
魔法使いの他、シンデレラの父親、宮廷ネズミの3役を演じるデーモン小暮閣下は「普段はアドリブを基調としているので演劇は難しい。演出家の言われた通りに同じテンションをキープするのは、我慢する自分との戦いになる。3役だが早替りもあるので、どうやるのか、演出家と深く考えたい。」と、3役の演じ分けに早くもプランを練っている模様。
他の出演者も、心優しいねずみ達にはワハハ本舗の佐藤正宏を筆頭に、東山義久、前田健、藤森徹。さらに橋本さとし、川ア麻世、寿ひずる、宮地雅子、森若香織、など各方面から個性豊かなキャストが結集しました。
この面々が「シンデレラ」の謎に果たしてどんな解答を見せてくれるのか。今から公演が楽しみです。
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