「日本の作家の創作劇を上演していこう」という松本幸四郎さんの企画で生まれたシアターナインスの第5回公演、『実を申せば to
tell the truth』の製作発表会見が、1日に都内で行われました。
これは「伝説の詐欺師コンビ、軽薄で無責任なフジタ(松本幸四郎)と重厚なアキヤマ(杉浦直樹)が5年ぶりに再会する。詐欺師を引退したいと思っているアキヤマ。もう一度組みたいフジタ。二人の駆け引きに周りが巻き込まれて・・・。」という物語。
作・演出を担当する劇団M.O.Pのマキノノゾミさんは、「幸四郎さん、杉浦さん、大人の芝居の似合うお二人に、最高に大人気無い役・関係を演じていただいて観てみたいと思って書きました。男二人の腐れ縁を描いて、観て元気になれる芝居にしたいと思います」と今回の創作意図を語ります。
前回公演の『夏ホテル』ではマジシャン、今回は詐欺師に挑む松本幸四郎さんは「芝居もひとときお客様を違う世界に連れて行く騙しの世界。今回も周りの方が騙されてくれて公演が実現しました。これが素敵な夢になるか、詐欺になるか、千秋楽を迎えてみないと解かりませんが、何とか素敵な夢にしたい。」と熱の入ったコメント。
また、劇中劇で新撰組の格好をして杉浦さん扮する怪獣を切る場面があるそうで、「阿修羅城の瞳」の市川染五郎の格好にして欲しいと注文をしている。」とアイデアの一端を披露するなど、既に様々なプランを描いている模様。
その幸四郎さんとは初共演となる杉浦直樹さんは「幸四郎さんに騙されているとは知りませんでしたが、こうなったらとことん騙されて、千秋楽までには逆に幸四郎さんを騙したい。」と気構えも十分。「詐欺師は化かしたり脅したりでは成立しない。憑り付かなくては駄目。役者も同じこと。」と腕を撫します。
杉浦さんの娘役を演じる水野真紀さんは、「新しい台本はいつも不安になりますが、皆さんと話をして、その情熱を感じて頑張ろうと思いました。13年間、先の仕事に不安を抱えながらやってきましたが、また素晴らしい作品に出会えた縁に感謝して、最後まで努力します。」と、大ベテラン二人との共演に、こちらも楽しみな様子。
「これからは日本の芝居、赤毛物ではなく黒毛ものを創って世界に出たい」と、熱く語る幸四郎さん。
ますます充実するその仕事ぶりと共に、楽しみな舞台となりそうです。