ブームの火付け役となった夢枕獏氏の小説、岡野玲子氏のコミックをはじめ、NHK、CXでのドラマ化、10月にパート2が公開される東宝での映画化など、様々なジャンルでヒットを飛ばしている「陰陽師」「安部晴明」。
そして2003年9月、新たな舞台化が中島梓=作、福田善之=演出により実現することとなり、その舞台稽古が公開されました。
今回、安部晴明役に挑むのは、大衆演劇界のプリンスとして、大阪・新歌舞伎座や名古屋・中日劇場などでの座長公演をはじめ、劇団☆新感線や蜷川演出作品など様々な舞台でも活躍、独自の芸術性へのチャレンジを続けている、松井誠。
そして、共演には赤テント・状況劇場の看板女優として活躍の後、フリーとなってからは舞台・映画・TV・CMなどジャンルを問わない幅広い活動で、その豊かな存在感を示している女優、李麗仙。
この異色とも言える組み合わせで、1000年の時空を超えた妖かしの物語が現代に蘇ります。
千年の昔、闇の世界が君臨する平安京。民を恐怖に陥れる疫病を消し去るため、最強の陰陽師と言われた安部晴明(松井誠)が、妖魔の山へと足を踏み入れる。妖山で晴明を待ち受ける至難の数々。
物の怪と死闘を繰り広げる晴明であったが、摩訶不思議な妖力を持つがために、幼い頃から「化け物」とののしられ続けた。半人半妖であるが故の悲しみまでもが、彼を襲う。
様々な呪を操る人間離れした彼の妖力は、「人の子に在らず、妖狐を母にもつ」という所以にあった。
「母は何故自分を捨てていったのか・・・自分は人なのか、妖怪なのか・・・」自分の胸の内に秘めていた様々な不安が彼を襲い、晴明の心は葛藤を続けていた。
そして、物の怪の中には、かつて人間の娘・葛の葉(李麗仙)に観を変えて暮らし、今は闇の世界に住む妖狐の姿もあった。
晴明と妖狐が繰り広げる戦いの裏には、宿命ともいうべきある秘密が隠されていた・・・・・
最強の陰陽師と謳われた男・安倍晴明にまつわる数々の伝説。
その一つとも言える晴明出生の謎、『葛の葉伝説』。その晴明出生の秘密に隠された母と子の情愛を、妖艶な世界で綴る感動の公演です。
また、第二部は「絵巻草紙 千年幻想 〜博多人形から光源氏まで〜」と題して、女・松井誠の美しさと、男・松井誠の華麗さを一度にお見せする<舞踊ショー>となります。