シアターフォーラム    
シアターフォーラム 橋之助が舞台で初の本格時代劇 『大川わたり』舞台稽古

 親同然に慕っていた棟梁を失ったことで賭場にはまり、仲間の家庭まで潰してしまった若い腕利き大工・銀次。賭場の借金を返すまで決して大川(隅田川)を渡ってはいけないという約束を交わし、更正を誓い、呉服屋の手代として、男社会の妬み、奸計に巻き込まれながら、苦難に立ち向かっていく・・・

 「あかね空」で第126回の直木賞を受賞し、時代小説の新しい書き手として注目を集めている作家、山本一力氏の小説「大川わたり」が、オフィス・トゥー・ワン40周年記念公演としてを初めて舞台化されることとなり、その舞台稽古が公開されました。

 今回、主人公の銀次を演じるのは、歌舞伎役者の若手リーダーとして活躍するかたわら、テレビドラマの出演、平成中村座での公演、そして今回『大川わたり』で舞台では初の本格時代劇に挑むなど、新しい挑戦に取り組み注目を集める中村橋之助。その銀次に「この金を返すまでは大川を渡ってはならねぇ」と約束をさせる賭場の親分・猪之助に西岡徳馬、銀時が働く呉服屋の女中で銀次に思いを寄せる女中・おやすに田中美里、他に萩原流行、佐藤慶、高嶺ふぶき、大滝龍宇一といった、個性的で実力のあるキャストが人情に溢れる人々の粋なふれあいを演じます。


 舞台稽古の後に開かれた会見で、歌舞伎以外の舞台は久しぶりという橋之助さんは「芝居を演じるうえで、現代劇・時代劇は変わらないです。」と言いながら、「この芝居は、我慢と言うか、息を詰めている場面が多いので疲れますね。」と力が篭っている様子。
 一方、親分役の西岡さんは「楽しませて貰っていますが、楽しみすぎてもいけないので程ほどにしないと。」と余裕を見せます。

 「お互いに言い合ったり、話し合えて良い雰囲気で稽古が出来ました。」と出演者の息もぴったり。「舞台へ来てさらに変わって行くと思うし、未だ上を望めます。役者が心を動かせてこそ、お客様の心も動かせませす。舞台はお客様に育てていただくものですし、是非そのライブ感を足を運んで感じて貰いたい。」と、出来映えにも自信のコメント。


 またこの公演では、音楽を担当するヴァイオリニスト・作曲家で、映画・ドラマなどで女優としても活躍している川井郁子さんによる生演奏が行われるのも話題のひとつ。
 川井さんは一幕・二幕それぞれに舞台に登場して、今回の公演のために作曲した楽曲を弾きあげます。
 これについて、橋之助さんは「ラブシーンの時に紗幕の前で演奏している川井さんの姿がシルエットになって綺麗です。」と芝居を演じながら演奏も楽しんでいるよう。「曲が銀次の心にぴったりで、それまでこらえていた涙が流れてくるようです。」と、舞台をさらに盛り上げる音楽に信頼を置きます。
 川井さんも「お話をいただいた時は違和感が無いかと心配でしたが、舞台をイメージして創った曲を、その世界に入り込んで弾いています。」と、女優としての経験も踏まえての演奏に力が入ります。

 「銀ブラを兼ねて足を運んで欲しい。」と締めくくった橋之助さん。
 物質万能の今の時代で、ともすれば忘れられがちな心、優しさや厳しさといった人情たっぷりの世界を味わいに、足を運ばれてはいかがでしょうか

 

 公演は2003年9月12日(金)〜23日(火・祝)
 東京・銀座のル テアトル銀座にて
 チケットに関するお問合せは
 03-3201-8116 東京音協まで



左より:中村橋之助(銀次)、西岡徳馬(猪之助)


賭場にはまり、仲間の家庭までつぶしてしまい
近所から非難を受ける。銀次(中村橋之助)


「この金を返すまでは大川を渡ってはならねぇ」と約束をさせる
左より:中村橋之助(銀次)、 西岡徳馬(猪之助)


深川を出た銀次を受け入れ、心身の修行をさせる
萩原流行(堀正之助)

更生を誓い、呉服屋の手代として働くことに
左より:田中美里(おやす)、中村橋之助(銀次)

左より:大浦龍宇一(新三郎)、中村橋之助(銀次)

左より:高嶺ふぶき(柳花)、田中美里(おやす)、中村橋之助(銀次)



川井郁子

西岡徳馬

中村橋之助

田中美里

大浦龍宇一

佐藤 慶

萩原流行

高嶺ふぶき
   

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