司会 続きましてはダリル役です。陣内孝則さん、お願い致します。
陣内 (立ちあがって)え〜・・・。
司会 どうぞ、お掛けになって(場内笑)
陣内 世の中には上手な近所付き合いをする三つの法則がある、などと申します。それはさて置き、本日はお集まりいただきありがとうございます。私、今まで誰にも言ったことはございませんでしたが、私の夢は帝国劇場に出ることでした(場内笑)。今初めて聞いた方もいらっしゃるかもしれませんが、これ本当でございます。思い起こせば17歳の時、博多の路地裏のライブハウスで歌って以来28年、やっと帝国劇場まで辿りつきました。この事に関しましては、後々「長かった栄光への道」と題して自伝を発行すると思いますので(場内爆笑)、その節は宜しくお願い致します。
さて、『イーストウィックの魔女たち』でございますが、私が演る――映画ではジャック・ニコルソンが演った役でございます。私、持ち前の爽やかな透明感を生かせないのが非常に残念ではございますが、なんとか山田さんにこう引っ張っていただいて、そして素晴らしい・・・、ホント、私、今初めて申しますが、あの・・・一路真輝さん、涼風真世さん、森公美子さん、もう大ファンでございました(場内爆笑)。本当です。知らないと思いますが、一路さんと涼風さんに関してはもう宝塚時代から、私、あの、匿名でこっそりアンパンを差し入れたりしてました(場内笑)。本当です。そして、森公美子さんとは過去にもちょっとテレビでご一緒したことがありますが、本当に素晴らしい歌唱力、そしてチャーミングなふくよかな魅力、私、もうホントにもうフランソワ・トリュフォーのような気持ちで、今回の作品には取り組みたいと思っています。
(声を一段張り上げ)何と言っても、今回の舞台はですね「森さんが浮く」というだけで、みんな観たいと思います。きっと、きっと森さんが浮いて頭上に来たお客さんは、ホント手に汗握るスリルだと思いますんで、その辺はですね、是非皆さん楽しんでいただきたいと思います。ちょっと挨拶が長くなってしまいました(場内笑)。一生懸命演りますんで、ひとつ宜しくお願い致します。