シアターフォーラム    
シアターフォーラム 菊田一夫演劇賞・受賞者挨拶 1

一、菊田一夫演劇大賞   山口祐一郎 さん
    (『エリザベート』のトート、『レ・ミゼラブル』のジャンバルジャンの役の
      演技に対して)
山口祐一郎
 ご紹介頂きました山口祐一郎です。本日はこのように伝統と名誉ある賞を頂戴し誠にありがとうございました。松岡選考委員長始め、この賞の選考委員の諸先生方には心より御礼申し上げます。この受賞理由の『エリザベート』と『レ・ミゼラブル』の演技に対してと言うことですが、ミュージカルは役者のみならずスタッフ、オーケストラ、全員で創り上げる総合的な舞台です。ですから今日は私が一人この賞をお受けするのに大きな戸惑いを感じております。そこで、この二つの作品に関わった全ての方々と御一緒にこの賞をお受けすることが出来ればと思っております。この賞を受賞したことを励みに、明日からまたひとつひとつ、丁寧に舞台を務めることが出来ればと願っております。何卒ご指導ご鞭撻の程宜しくお願い致します。最後になりますが、この二つのミュージカルに関わった全ての方々に改めて感謝し、それから丈夫でちょっと長めの肉体を頂いた両親に感謝し、それからこの演劇の世界に私を導き御指導頂きました浅利慶太先生にこの場をお借りして心から御礼申し上げます。本日は誠にありがとうございました。

一、菊田一夫演劇賞特別賞   森 光子 さん

    (1700回を超える『放浪記』の輝かしい舞台の成果に対して)
森 光子  森光子でございます。本日は栄えある菊田一夫先生の賞に選んで頂きまして、どうもありがとう存じました。「もう『放浪記』では賞を何度も頂いたでしょう。ありがたいんでは無いんじゃないの?」って思ってらっしゃる方が居らっしゃいましたら、とんでもございません。この『放浪記』を初演いたしましたのが、今から43年前でございますから、昭和36年でございました。その時は8ヶ月のロングランで終わりまして、終わった日もこれという事も無く、「ああ、大役が果たせた。」。私は舞台では初めての主役だったものですから、本当に大役が果たせたと思っておりました。そして10年間は再演がございませんでした。10年経って、今度『放浪記』を再演するというお言葉がございまして、それのまた千穐楽が参りまして、菊田一夫先生は私にとても厳しゅうございました。これといってお褒めの言葉というのは頂いた覚えがございません。ただ、その10年経ってからの再演が終わった時に、「君、10年間無駄飯食ってなかったな。」そう仰いました。「ああ、これが菊田先生の私に対する一番のお褒めのお言葉だったんだ。」ということを、しみじみ胸に突き刺さりまして、それから喜びがだんだん大きくなったのを感じております。それからもう、こんなに経ちました。去年から今年にかけて四大都市縦断という公演がございまして、福岡、それから東京、大阪、名古屋と5ヶ月公演をして参りました。こんなに43年も経っておりますのに、とても暖かなお客様からの愛とか、いろんな物を頂戴したことが私の胸に本当に深く染み込みました。そして皆さんここへお立ちになる方が仰る様に、一人でやるものではございません。私の場合も沢山の仲間、同志と言える人たちとやっております。今日その中の一部の方がお出でだと思います。またこんな素晴らしい賞を頂きました。菊田一夫先生のお名前の入っている賞です。これを励みに、またこれから先も演りますことをお約束致しましょう。皆さんのためにもとても嬉しい賞を頂戴いたしました。ありがとうございました。

   

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