眼下に広がる代々木公園の緑、目を上げれば新宿の高層ビル群が眺められる渋谷区富ヶ谷に2003年10月にオープンした「Hakuju Hall」。
コンサートホールとして世界初のリクライニング・シートを備え、くつろいだ環境で音楽を楽しめるホールとして、クラシックの室内演奏会を中心に、「リクライニングコンサートシリーズ」を初めとするユニークな企画でクラシックファンの間では評判となっていました。
その「Hakuju Hall」が、演奏される音楽のみならず、台詞の一言一言がはっきりと聴き取れる特徴を生かして、新たに音楽に因んだ演劇作品の上演を企画。その第一弾として、ドイツの人気作家、パトリック・ズュースキントのモノローグドラマ『コントラバス』を上演することとなり、その制作発表が行われました。
オーケストラピットに位置する縁の下の力持ち的楽器、コントラバス(=奏者)の喜怒哀楽を、親しみやすく語るこのモノローグドラマ。演じるのは「演劇集団キャラメルボックス」の西川浩幸さん。今年役者生活20周年を迎える西川さんは「節目の年に出会えて良かった作品です。台本を読んだ時は、専門用語でちんぷんかんぷんでしたが、自分にスムーズに入って来る実感がありました。」とこの作品の印象を語ります。
この公演では実際にコントラバスを弾くという西川さん。音楽監督の笠松泰洋さんの「ミュージカルのオケも全てPAなので、演奏している振動が聞こえるようなホールで生の音を聞いて貰いたい」という狙いを受け、3月初めからレッスンを始めたそうで「ハードな楽器かと思ったら繊細な楽器でした。自分の心の動きが客席に観られてしまうようで、どこまでやれるか解かりませんが披露したいです。」と、初の挑戦に意欲を見せます。
「オーケストラの組織って、人間社会を忠実に映し出す鏡なんですよ・・・・」
大きな楽器、コントラバス。一人の奏者の目から見たオーケストラピット内での数々のドラマや、楽器そのものへの愛着、そして舞台の上で華を飾るプリマドンナへの想い。様々な思いや考えを、ときには物静かに、またあるときは激しく熱く語ってゆくモノローグドラマの舞台化です。
300席のコンサートホールという臨場感溢れる空間での今回の公演。「新しい、夜景の美しいホールで行えるのが嬉しい。キャラメルファンにも、クラシックファンにも来て貰いたい。」と西川さんが語る様に、Hakuju
Hallの上、9階スカイテラスは、公演の前後や休憩時間に自由に利用出来る、都会の隠れ家のようなくつろぎ空間になっています。
本格的クラシックホールでの演劇上演。音楽と言葉のドラマは、果たしてどのような空間を産み出すのでしょうか。演劇ファン、クラシックファン共に注目の舞台となりそうです。
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Hakuju Hall |

『コントラバス』 −オケピからの魂の叫び−
出演:西川浩幸
原作:Patrick Suskind 翻訳:池田信雄・山本直幸
演出:西川信廣 音楽監督:笠松泰洋
公演期間:2004年6月25日(金)〜7月4日(日)
会場:Hakuju Hall
(代々木公園駅(千代田線)徒歩5分
/ 代々木八幡駅(小田急線)徒歩5分 )
料金:全席指定 4,500円(税込)
※未就学児の入場はご遠慮下さい
前売開始:2004年4月24日(土)
お問合せ:Hakuju Hall チケットセンター 03-5478-8700
Hakuju
Hall サイト
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