5月30日、東京・帝国劇場で3か月に渡る東京公演の幕を閉じたミュージカル『エリザベート』
その千穐楽で行われた、特別カーテンコールでの主要キャスト7人(ルドルフ役の浦井健治さん・笘篠和馬君、マックス役の村井国夫さん、ゾフィ―役の初風諄さん、フランツ役の鈴木綜馬さん、ルキーニ役の高嶋政宏さん、トート役の山口祐一郎さん、エリザベート役の一路真輝さん)のご挨拶をご紹介致します。
一路さんの紹介で順番にセンターに出て挨拶となり、最初に呼ばれたのはルドルフ役の浦井健治さんと笘篠和馬君、涌井さんはいささか緊張気味で、一路さんが「大丈夫?」と声を掛けます。
浦井:ありがとうございました。(少し涙ぐむ様子に周囲から「頑張れ」の声。場内拍手)幸せです。これからも頑張ります。
笘篠:(浦井さんの頬のマイクを使って)僕はいろんな人に、と言うかみんなに孫悟空といつも言われていました。地方も孫悟空の様に元気一杯頑張りたいです。
村井:初めまして(場内笑)。村井でございます(場内笑)。僕は今回からの参加なんです。新参者は非常に辛くて、この地位を占めるのにも大変な努力が要ります。出演者からいろいろプレッシャーが掛かります。「あの不協和音は難しいよ。」「歌がどっか飛んじゃうよ。」と。 本当に優しくって言ってくれている訳ではないんです。凄く意地悪な出演者です。でも何とか頑張りました!(場内拍手)。でも、新しい芝居に入る時、新しい才能と出会う事が喜びです。今回私は一路さんと言う女優に巡り会って、彼女の頑張り、舞台における清潔さ、そう言ったものが僕たちを支えてくれて、こうやって頑張ることが出来ました。本当に素晴らしい(一路さんに向けて拍手・場内拍手)12月まで頑張ります!
初風:ありがとうございました。(場内拍手。口に手を当てて内緒話の様に)実はですね、この楽屋入りの時に、毎日毎日路上でチケットを販売なさっている方から「奥さん、キップ有るよ。余って無い?」。今日も聞かれました(場内爆笑・拍手)。こんなに人気の有る作品に出演出来まして幸せだと思います。
鈴木:皆様ありがとうございます。(場内拍手)3ヶ月間、「あ、やっぱり僕は耐える悲劇の夫が似合う俳優だな」と思って(山口さんに後ろから突き倒され、起き上がりながら)はははは・・・演らせて頂いておりました。石川禅さんと2人で、毎日楽屋で顔を合わせて「どっか間違えた?」「大丈夫だった」「今日、間違えちゃった」なんてそんな事を言いながら、楽しく3か月過ごして、一路真輝さんを支えて頑張って参りました。「夫婦の愛」いかがだったでしょうか。(場内拍手)こうして、お客様の幸せそうな笑顔、劇場を支えてらっしゃるスタッフの方たちのにこやかな笑顔、そうしたものに支えられて、幸せな時を過ごしました。これからも宜しくおねがいします。どうもありがとうございました。
嶋:こういった変人、奇人に囲まれながらも(場内笑)3ヶ月演って参りました。嶋政宏です。(場内拍手)もうかれこれ、何百回にも及ぶエリザベート暗殺をやりまして、最近はどうもスパンと刺すだけでは満足がいかず、背中に突き抜けるくらい迄の、突き刺しをして、大阪公演の時にはどうなってしまうんだろうと、今思っています。今日は本当に何か晴れ晴れとした感じで、魂が揺れる程の喜びに反して、「明日からは暫くの間この役が出来ないんだな」って言う寂しさが有ったり、妙な作品だなと、今不思議な感覚です。何か近々(周囲を見回し)・・・えー、追加公演も有る・・・という話は全く無しで(場内笑)、では、また――(一路さんに)聞いてなかった?――名古屋でお会いしましょう。
山口:ありがとうございました。(場内拍手)幸せです(一礼)。今日が産まれて24年間(場内笑)一番幸せな日です。今日はありがとうございました!!(鈴木さんが先程のお返しに横から体当たりする)
一路:なんかもうこんな人達と演っていたのかと今思ってます。ああ、ビックリした。この3ヶ月間、舞台の事だけ考えて生きてきたので3ヶ月間の私生活に何が有ったのか全然覚えていなくて、明日から自分がどういう生活をするのか予想もつかないんですけれども(高嶋さんより声有り)・・・普通の女の子に戻れと言われましたけれども、(高嶋さんに)普通です、一応。とにかくこの役を出来た事を心から幸せに思っております。そしてこんな素敵な皆様に囲まれていたことを(笑)・・・ホントです。本当に嬉しく思います。皆様本当に、本当に、ありがとうございました。
最後の一路さんのご挨拶の後、一堂が揃って客席に一礼。そして客席に手を振りながら別れを惜しむ内に幕が降りました。