8月10日に東京・日比谷の帝国劇場で、11年ぶりとなる公演のプレビュー・オープンを迎えるミュージカル『ミス・サイゴン』
1992年の日本初演では約一ヶ月半をかけて帝国劇場の舞台を改装したこの作品ですが、今回の再演にあたっては、東京・砧の東宝撮影所内に昨年建設された国内最大規模の第7ステージ(35.6m×28.8m 鷹さ12m)に3週間かけて舞台セットが創り込まれ、帝劇同様の環境で稽古が行われました。
この舞台セットは、音響・照明を含め、1ヶ月かけてイギリスから船便で運ばれ、コンテナ20台に分けて搬入された後、3週間掛けて同撮影所で建て込まれたもの。7月15日から24日までは、総勢84名のキャストが参加しての稽古が行われていますが、7月19日にその模様が報道陣に公開されました。
広い撮影所に創られたセットの周りには、音響・照明・舞台操作のための操作卓が設けられ、実際のキャストの演技に応じて細かいチェックや修正が行われて行きます。
既に帝国劇場の稽古場では通し稽古まで済ませたという出演者の面々ですが、「やっぱり本番の環境で少しでも多く稽古が出来るのは安心です。コンピュータとのタイミングを合わせるのが大変ですね。」と語るのはキム役の松たか子さん。
キム役の4人は「コンビニにも一緒に行くんです。」と笑い合う程、和気藹々とした雰囲気。「ライバル心が起きる余裕も無く自分の事でいっぱいいっぱいです。」と言いながらも、「それぞれ違うキムなので、観る方も楽しめると思います。」と、お互いの演技も認め合っている様子。
一方、エンジニア役の4人ですが、12年前に同役を演じて、芸術祭賞・菊田一夫演劇大賞を受賞している市村正親さんは、筧さん曰く「ミスター ミス・サイゴン」と言うことで、やはり別格の存在感。
「市村さんのは完成形で、最初は抗おうと思うんですが、結局は同じになるんです」ともコメントした筧さんですが、そう言いながらも3人それぞれに独自のエンジニア像を創ろうと、アイデアを練っているようです。
この撮影所での稽古は7月24日まで行われた後、舞台セットは一旦解体されて、改めて公演の行われる帝国劇場へと搬入。10日間を掛けて再組み立てが行われた後、舞台稽古が行われて8月10日のプレビューから11月23日の千穐楽まで、106日間、174回の公演を迎えることとなります。
総制作費30億円を掛けたと言うメガ・ミュージカル『ミス・サイゴン』
12年ぶりの最演に向けて、キャスト・スタッフ共最後の詰めがこれから行われます。
チケットは東宝テレザーブ(03-3201-7777)他で発売中。
東宝サイト