シアターフォーラム    
シアターフォーラム 森光子・段田安則が新コンビで漫才を。『おもろい女』舞台稽古

森光子、段田安則

森光子、段田安則

森光子、段田安則
森光子

森光子
 昭和初期に大活躍した実在の天才漫才師、ミス・ワカナが相方・玉松一郎(たままつ いちろう)と出会い、戦争を乗り越えて結婚し、別離…、人気の頂点を極めながら、若くして命を落とすまでをドラマティックに描いた舞台『おもろい女』。

 1978年(昭和53年)に芸術座で初演され、翌1979年の再演では芸術際大賞(森光子、芦屋雁之助)に輝いたこの作品は、以降も上演を重ねて、これまでに340回を数える、森光子さんの代表作の1つに数えられますが、今回、2005年3月をもって建て替え工事にはいる芸術座の9、10月公演として、6年ぶりに上演される事となり、その舞台稽古と会見が行われました。

 今回の公演では、初演以来、玉松一郎役を務めてこられた芦屋雁之助さんが今年の4月に残念ながら亡くなられたため、今回は新たに段田安則さんが玉松一郎役を演じます。

 舞台上で会見に臨んだ森光子さんは、「漫才の相手役とは、普通よりもっと隙間が無くてギュッとしていなくてはいけないのですが、理想的な相手で素敵な仕上がりになりました。共演者も認める程息もぴったりで、ちょっと自信が出てきました」と段田さんとの新しいコンビにも手応えを感じている様子。

 一方の段田さんは「森さんの絶妙な間についていくのが精一杯です。以前には客席で観たことも有りますので、明日から立つと思うと身が引き締まる思いです。」といささか緊張気味ですが、「森さんはかわいらしくて、間が素晴らしくて楽しい。」と、これまでも何度も共演していることもあり、息の合わせ方は心得ているよう。

 今回の共演についても「これまで芦屋さんとコンビを組んでやってきましたが、今回の話が出た時は病床で無理ということで、段田さんにお願いしたら本当に直ぐに引きうけてもらえて有難かったんです。」と森さん。
 「直ぐに返事をしましたが、後で雁之助さんの後に演るかとビビってきました。昔からテレビで見ていた遥か彼方の人で、代わりに立たせて貰うのは、天国で見ていて「何だ、お前は!」と思われるかも知れませんが、この名作を汚さない様に一生懸命演ることが雁之助さんに報いる事だと思っています。」と段田さん。

 新しいコンビでの漫才に「稽古場とは違ってお客様が入ると間が変わりますが、それが本当の間で楽しみです。早く御客様が入って演りたい。」と意欲満々のお二人。
 8月は暑さよりもオリンピックで寝不足との事ですが、「スピーディーで楽しい舞台なので、老若男女幅広い層の方に是非ご覧頂きたい。」と段田さんがコメントすれば、森さんも「オリンピックの次は『おもろい女』。ただ「おもろい」だけでなく、例えば覚せい剤の注射の場面は、実際に射っているのを見ていたので、その仕草の細かいところまで見ていただければ嬉しい。」と、実際にミス・ワカナと同じ舞台に立った経験などから、そのリアリティ有る演技に自信を覗かせます。

 来春には建て替え工事に入るという芸術座。日本の演劇シーンで重要な役割を担ってきたこの劇場で、迫力有る名舞台を観られるのも、残り半年余りです。

森光子、段田安則

東宝現代劇9・10月特別公演 『おもろい女』

公演は2004年9月1日(水)〜10月31日(日) 
東京・日比谷の芸術座にて

チケットは  東宝テレザーブ(03-3201-7777)
 他にて発売中です。

東宝サイト


左より:赤木春恵、米倉斉加年、段田安則、森 光子、西川忠志、山田まりや

   

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